研究課題/領域番号 |
08458237
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
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研究分担者 |
千葉 和義 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70222130)
松本 緑 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 先体反応 / 精子・卵結合 / 糖類 / キヒトデ / 糖鎖 |
研究概要 |
キヒトデの卵ゼリー層を構成する硫酸化糖蛋白質であるARISは、先体反応を誘起する主要な因子であると考えられる。本年度は、ARISの活性をもつ最小糖鎖構造であるFr(1)を用いて、Fr(1)にピリジルアミノ化を応用してベンゼン環を導入し、^<125>I標識して、精子との結合実験をおこなった。Scatchard解析の結果、受容体には、高親和性と低親和性の二つのタイプが存在し、高親和性の受容体は、Kd値が1.45x10μM、精子1細胞当たりの受容体数(Bmax)は、8.38x10^4であった。一方、低親和性の受容体は、Kd値が4.43x10^2μM、Bmaxは、1.89x10^6と算出された。また、Fr(1)が5糖の繰り返し構造をとる直鎖の硫酸化糖鎖であることに着目して、Fr(1)の鎖長の精子への結合能に与える影響を調べた。^<125>I-P-ARISと精子の結合実験の際に、平均鎖長の異なる非ラベルのFr(1)及び、P-ARISを系に加えて、^<125>I-P-ARISの精子への結合の阻害効果を指標に、Fr(1)の平均鎖長による精子への結合能をみたところ、平均鎖長による大きな違いがないことが明らかになった。Fr(1)をTFMS処理によって切断する実験では、強い処理でFr(1)分子が小さくなるほど先体反応誘起率が低下するという結果を考えると、Fr(1)と受容体の結合そのものには、Fr(1)分子全体の大きさは影響を与えないとしても、その下流に存在する先体反応に至る情報伝達の過程においては、Fr(1)分子がある程度の大きさを持ち、ある3次元的構造を保つことで、複数の結合部位を近位に保ち、受容体同士の凝集を促して、情報を伝えるということも考えられる。
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