研究課題/領域番号 |
08458242
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
鍋島 陽一 国立精神・神経センター, 神経研究所遺伝子工学, 部長 (60108024)
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研究分担者 |
吉田 松生 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (60294138)
武田 伸一 国立精神, 神経センター・神経研究所遺伝子工学, 室長 (90171644)
藤沢 淳子 国立精神, 神経センター・神経研究所遺伝子工学, 室長 (60209038)
NABESHIMA Yo-ichi National Institute of neuroscience, Director (60108024)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 筋分化制御因子 / Myogenin / 筋発生 / 遺伝子ノックアウト / 細胞分化 / 増殖因子 / 細胞培養 / bHLH |
研究概要 |
マウス筋芽細胞、C2C12は増殖因子存在下では増殖を続けるが、倍地より増殖因子を除くと分化を開始する。この細胞を用いて、2つの増殖因子;LPA、bFGFの作用機作について検討した。いずれも筋芽細胞の増殖を促進し、分化を抑制するが、LPAは Myogeninの発現誘導を抑えることによって、またbFGFはMyoDの発現を抑えることによって分化を抑えている。さらにLPAは接触阻害による分化誘導を抑えることができないがbFGFは分化誘導を抑えることができる。よって、生体内では複数の性質を異にする増殖因子によって異なる作用点に働きかけることによって、増殖と分化が制御されているものと推定される。 筋芽細胞を分化誘導すると、細胞は筋管細胞へと分化する細胞と分化せずに筋芽細胞のままで留まる"reserve cell"の2つのサブポピュレーションに分れる。myogeninの発現、細胞分裂からの離脱、P21の発現、細胞の融合など、分化の指標と考えられている事柄は前者の分化する細胞のみで観察される。後者のreserve cellは分化せずに留まり、極めて遅い速度で増殖を続けるようになるが、元のの筋芽細胞としての性質を保持しており、再度、増殖因子を添加すると、増殖を開始し、増殖員式を取り除くと、元の細胞と動じように分化する細胞とreserve cellに分かれる。この2つのサブポピュレーションの仕分けは分化誘導の極めて早い段階でのMyoD(myf-5)の発現によって導き出される。分化する細胞では増殖中の筋芽細胞で発現しているMyoD(myf-5)の発現が維持されるが、resrve cellではその発現が失われる。さらに、MyoDを強制発現させると、resrve cellを分化する細胞に転換させることができる。この事実はMyoDの発現がC2C12細胞の2つのサブポピュレーションへの仕分けを制御しており、細胞分化の過程そのものの中に増殖能を保持した細胞を残す仕組みをもていることを示唆している。分化誘導に伴いMyoDの発現を制御している因子を解析するために培養筋芽細胞の運命を継続的にトレースし、細胞周期と分化誘導をかけたタイミングについて検討したが、明瞭な結論には至らなかった。細胞分裂の再に不等分裂をおこして2つのタイプの細胞が生まれる可能性についても否定的な結果をえている。
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