研究課題/領域番号 |
08458249
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 助教授 (80102375)
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研究分担者 |
水島 秀勝 昭和大学, 医学部, 講師
中条 茂男 昭和大学, 薬学部, 助教授 (50119236)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | PACAP / 脳虚血 / 神経細胞死 / シグナル伝達 / 免疫組織化学 / 遺伝子組織化学 / ラット / 免疫細胞化学 / 海馬 |
研究概要 |
我々は、超微量のPACAP(Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide)がラット海馬の神経細胞死を有意に抑制し、脳室内投与のみならず静注でも細胞死を防御すること、また虚血1日後から静注しても有効であることを明らかにした。本研究においては、脳虚血によるPACAPの神経細胞死抑制とその機構を解明することを目的とし実験・観察を行った。その結果、1)虚血による新液細胞死過程のシグナル伝達機構にMAPキナーゼカスケードが関与し、その構成メンバーのうちJNK/SAPK活性が虚血により特に大きく上昇すること、さらにPACAPは虚血負荷においてこのリン酸化酵素の活性を抑制することが明らかになった。2)超微量のPACAPが虚血脳においてどのような種類のサイトカインを誘導するのかを生化学的手法により調べた結果、PACAPの脳室内投与により髄液中のlL-6(lnterleukin-6)濃度が有意に上昇することが分かった。以上の結果から、PACAPは神経細胞および神経膠細胞に作用しlL-6などのサイトカインを誘導し、直接あるいは間接的に神経細胞死を超微量で抑制していると考えられる。このペプチドは、他のペプチドと同様に血液脳関門を通過しにくいが、細胞膜を通過しやすいように分子修飾することが可能であり、しかも超微量で細胞死を防ぐことから臨床応用も可能であり、将来、脳梗塞の治療や痴呆の予防にも使用できると期待される。
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