研究課題/領域番号 |
08458252
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
飯田 静夫 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (00009987)
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研究分担者 |
笠間 健嗣 東京医科歯科大学, 機器分析センター, 助教授 (80124668)
六川 千秋 東京医科歯科大学, 医学部, 技官
櫛 泰典 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (60177988)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1997年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1996年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | リポ多糖 / ガングリオシド / 神経系の糖脂質 / 末梢神経 / 自己抗体 / ギランバレー症候群 / 内耳疾患 / フィッシャー症候群 / CIDP / C.jejuni |
研究概要 |
末梢神経障害は疾患の種類も患者数も多い。近年これらの疾患の発症に液性免疫の関与が注目され、患者血清中に存在する自己抗体、特に抗糖脂質抗体の検索が強力に行われている。疾患特異性が比較的明らかな自己抗体として、マクログロブリン血症性末梢神経障害における抗グルクロン酸含有糖脂質/抗ミエリン関連糖タンパク質抗体、多巣性運動型末梢神経障害における抗GM1抗体、フィッシャー症候群での抗GQ1b抗体などがあり、またギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発根神経炎では多彩な抗ガングリオシド抗体が出現し発症や病勢の遷延化に影響している居ることを明らかにした。更にギラン・バレー症候群の患者の中には神経の構成成分としては微量成分であるGalNAc-GD1a、GM1b、GM1 αに対する抗体価の高い症例が認められた。C-jejuniなどの感染後に発症した症例では先行感染菌のリポ多糖にこれらのエピトープ構造を持つことが示され、またこれらのエピトープ構造は従来の菌株の分類基準とは異なる分布をしていることが明らかとなった。慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者の30%がIgM抗SPGPG抗体陽性で、MAGとも反応した。この抗体価とMタンパクの有無、血清IgM値との間に明らかな関連性は認められず、IgM抗MAG/SGPG抗体を伴う多発ニューロパチーはMタンパクを伴う多発ニューロパチーの一部をなすものと考えるより、CIDPの一部として位置付けた方が妥当と考えられる結果を得た。免疫性内耳疾患患者血清中にはネオラクト系列の糖脂質に対する抗体を持つものがあり、一方聴神経腫瘍組織の糖脂質分析からネオラクト系列の糖脂質の存在が示され、この抗体が発症に関与していると考えられる。従来発症機序が不明であった自己免疫性の疾患の中に同様の機序で発症するものが少なくない事が明らかにされた。
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