研究課題/領域番号 |
08458262
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 山口大学 (1998) 近畿大学 (1996-1997) |
研究代表者 |
篠田 晃 山口大学, 医学部, 教授 (40192108)
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研究分担者 |
中濱 健一 近畿大学, 医学部, 助手 (60281515)
長野 護 近畿大学, 医学部, 助手 (80155960)
大槻 司 山口大学, 医学部, 助手 (70243631)
河田 啓介 山口大学, 医学部, 助手 (20284242)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1998年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | エストロゲン / アンドロゲン / 性行動 / 性分化 / エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / 内側視索前野 / 内側扁桃体 / 内側視索前野扁桃体弓 / アロマテ-ス / 性ホルモン / 扁桃体 / ステロイドレセプター / 内側視策前野 |
研究概要 |
脳内アロマテース含有ニューロンの中心は、雌雄で性的二型性を示し性分化の臨界期に一致して発現ピークを迎える内側視索前野一扁桃体弓(mPOAM)の膨大なアロマテース含有ニューロンにあることが示された。サルやヒトを含む霊長類でもこのエストロゲン合成ニューロンが同領域で証明され、ここで芳香化されたエストロゲンこそが哺乳動物脳の男性化や生殖機能の分化や誘導に中心的役割を果たすことが示された。このラットmPOAMにおいて、成獣雄ではアロマテースとアンドロゲン受容体の発現は強くエストロゲン受容体の発現は弱い。雌では逆にアロマテースとアンドロゲン受容体の発現が弱くエストロゲン受容体の発現が強いという結果が得られた。生直後の雌雄の去勢実験では、成獣雌ではアロマテース、アンドロゲン受容体、エストロゲン受容体の発現パターンに大きな変化は見られなかったが、雄ではアロマテースとアンドロゲン受容体の発現が減弱し、エストロゲン受容体の発現が増強するという雌性化パターンが見られた。さらに生直後に去勢された雄が性成熟レベルに達した後、3種の性ステロイドをそれぞれ投与した結果、ジヒドロテストステロン投与はアロマテースとアンドロゲン受容体の発現を増強させるがエストロゲン受容体の発現にはあまり影響がなく、エストロゲン投与はアロマテースとアンドロゲン受容体の発現をやや増強する一方エストロゲン受容体の発現を強く減弱させ、テストステロンの投与はアロマテースとアンドロゲン受容体の発現を増強させエストロゲン受容体の発現を減弱させる結果が得られた。以上の結果より、mPOAMに発現するアロマテース、アンドロゲン受容体、エストロゲン受容体は性ステロイドにより強い制御を受け雌雄における発現パターンが決定され、特にテストステロンから芳香化されたエストロゲンがエストロゲン受容体をdown regulationし脱女性化を賚し、非芳香化テストステロンはアンドロゲン受容体自身をup-regulationして男性化を誘導するというアロマテースの性ステロイド受容体制御による性分化機構が示唆された。
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