研究課題/領域番号 |
08504001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小山 勝二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10092206)
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研究分担者 |
山本 晃永 浜松ホトニクス(株), 固体事業部, 常務取締役
田澤 雄二 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60124757)
鶴 剛 (ツル 剛) 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10243007)
粟木 久光 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30252414)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
69,700千円 (直接経費: 69,700千円)
1998年度: 21,700千円 (直接経費: 21,700千円)
1997年度: 22,800千円 (直接経費: 22,800千円)
1996年度: 25,200千円 (直接経費: 25,200千円)
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キーワード | X線CCD / 放射線損傷 / 宇宙環境 / 半導体検出器 / 放射線検出器 |
研究概要 |
ほとんど全ての天体はX線放射しているが、その機構はさまざまであり、多くの場合、熱的と非熱的放射機構が混在している。それを如何に分離観測するかが研究の鍵になった。その典型例は超新星残骸である。超新星爆風は衝撃波で殻状の超高温プラズマをつくり、そこから熱的なX線を放射する。ところが「あすか」衛星は殻状超新星残骸(SN1006)から非熱的な巾型X線スペクトルを検出した。これは100兆電子ボルトに近い超高エネルギー電子からのシンクロトロン輻射として理解される。このような電子は宇宙背景放射の2.7K光子をたたき上げる。このγ線がCANGAROOチェレンコフ望遠鏡で検出され、100兆電子ボルトにもおよぶ超高エネルギー電子の存在が実証された。これは1912年に宇宙起源の超高エネルギー粒子、宇宙線が発見されて以来宇宙線の発生源とその加速機構は長い間の謎を解く突破口になった。 本研究はこのような非熱的X線放射機構の研究を格段に進歩させるために、X線偏光分光を可能にする撮像型CCDを開発製作する。その原理は光電子は入射X線の電場ベクトルの方向に出やすいこと、この向きを微小なピクセルのCCDの電子雲分布で計ろうとするもので、既に実証された原理である。従って鍵になる、できるだけ微小なピクセルを持ち、硬X線まで検出可能な厚い空乏層のCCDを作ることである。この目的を総合的に達成するために以下の研究をおこない、所定の成果をえた。 (1) 厚い空乏層のCCDを試作、回路系の開発をおこない、所定のネルギー分解能(140 eV at 5.9keV)を達成した。 (2) 偏光検出のため8-micronピクセルのCCDを試作し、性能評価をした。 (3) 高速読みだし回路を開発、完成した。 (4) 宇宙環境テストをおこない、それに耐えるCCDを作成した。とくに放射線損傷の実験をおこない、性能改善方法を発見した。 (5) 以上と並行して、X線CCD(あすか衛星)をもちい、X線天文の研究をおこなった。
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