研究課題/領域番号 |
08554025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)
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研究分担者 |
藤井 金苗 日本電子株式会社, 分析機器技術本部, 課長(研究職)
大庭 裕範 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10176985)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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キーワード | LバンドESR / ゼロ磁場のESR / 溶液中の三重項 / ゼロ磁場分裂 / 励起三重項状態 / 励起多重項 / 金属ポルフィリン / 周波数掃引ESR / 溶液中の三十項 / 周波数可変ESR / 励起三十項状態 |
研究概要 |
本研究の目的は、溶液中の励起三重項や励起多重功の観測を効率良く行うための電子スピン共鳴(ESR)装置を開発することであり、以下の3点について成果をまとめる。 1. 磁場掃引ESRによる溶液中の励起三重項の観測 (1) ポルフィリンに始まり、フタロシアニン、サブフタロシアニンなどの分子について初めて、励起三重項及び励起四重項のESR信号の観測に成功した。 (2) これらを利用して、三重項のスピン緩和、電子移動、エネルギー移動等のスピン及び反応ダイナミクスのユニークな解析を行った。 2. 周波掃引ESR装置の開発 (1) 種々の周波数可変共振器の検討を行い、一つの共振器で広い周波数範囲をカバーできるループギャップリゾネータ(LGR)を作成した。 (2) マイクロ波ユニットは、ポルフィリンやフタロシアニン三重項を念頭においてLバンド(0.8-1.5GHz)領域のものを製作した。 (3) 20MHzの信号増幅器を装備して、装置の時間分解能80ナノ秒を実現した。 (4) ESR装置の性能として、マイクロ波出力100nW(アンプ使用で2W)、Q値600以上、5nmの水溶液試料管で3×10^<12>スピン/Gの感度を実現した。 3. 安定なゼロ磁場及び低磁場の実現 通常のESR磁場とは逆の極性をもつ磁場電源を作成して、50から0mTまでの低磁場の安定化を図った。 このように溶液中の三重項の信号の観測、Lバンド装置の製作、ゼロ磁場の実現はできたものの、今のところ溶液中の励起三重項のゼロ磁場ESR観測は成功していない。今後、マイクロ波アンプの性能およびLGR検出感度(Q)の向上など、装置の更なる改良に努める必要がある。
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