研究課題/領域番号 |
08555017
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
奥山 文雄 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30024235)
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研究分担者 |
若元 郁夫 三菱重工(株), 技術本部, 主務
杉江 紘 (杉江 絋) 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (40024327)
種村 眞幸 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (30236715)
北 重公 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60006153)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | X線カメラ / フィールド・エミッション / X線工学 / 真空マイクロエレクトロニクス / スパッタリング |
研究概要 |
本研究は、“多重電界陰極"(multiple field cathode,MFC)を電子源とする“X線カメラ"(XRC)システムの試作を目的としたものであり、計画年度内にすべての作業は完了した。本試作システムの基本構成は、1)XRC本体、2)電子源及び3)排気系であり、それぞれの概略は以下の通りである。 1.) XRC本体 XRCチャンバー外壁はステンレススチールから成り、7ケ所に内部との接続ならびに内部観察を用途とするポートが設けられている。チャンバーには、X線発生源であるアルミターゲット、電子ビーム収束レンズ(Glazerレンズ)、Glazerレンズ冷却システムが内蔵されている。 2.) 電子源部 電子放射源であるFEエミッターは、主真空を破ることなく交換でき、またその位置は、マニピュレーターによって精密に調整される。エミッターから放出された電子は、いわゆる、“bipotential lens system"による収束後、Glazerレンズに入射する。 3.) 排気系 装置の主排気は、2基のターボモレキュラーポンプ(排気速度:190l/sec)で行う。到達圧は、10^<-7>Torr台の後半である。 なお、本研究で使用したMFCは、透過電子顕微鏡試料支持用のMoメッシュをハサミ切断した“meshemitter"(ME)である。このMEを電子源として、集積回路(IC)のX線像を得ることができた。このX線像は、市販の熱電子型X線カメラによって得られるものに比して、シャープに解像されている。電界電子によって得られた世界で始めてのX線像であることも踏まえれば、この成果は“画期的"というにふさわしい。唯一の誤算は、高圧ガイシとXRC本体の接続にゴム製のO-ringを使用しているため、XRC本体のベーキングができず、到達圧が10^<-7>Torr台に留まったことである。電界電子放射は、典型的な表面現象であり、電子源の作動特性を常に安定に保つには、超高真空(P【less than or equal】10^<-9>Tour)が不可欠である。“超高真空FE-X線カメラ"の開発がわれわれの次なる目標となる。
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