配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
転がり疲労における主要な損傷形態である剥離型破損は,圧縮応力重畳下におけるモードII疲労であると考えられることから,モードII疲労特性は,各種材料の転がり疲労に対する強度を判定する特性値として有用であると考えられる。本研究の目的は,圧縮応力重畳下におけるモードII疲労試験装置の製作とこの試験装置によりセラミックスを含む各種材料のモードII疲労き裂の進展特性を明らかにすることである。 製作した試験装置は,(1)試験片のチャックへの固定と同時に静的圧縮負荷を与え,(2)4点せん断方式によりせん断荷重(モードII荷重)を負荷し,(3)き裂面に静的モードI荷重を負荷する構造である。(1)の試験片のチャックへの固定と同時に静的圧縮負荷を与える方法としては,テーパ式チャックを用い,かつ,圧縮の負荷量と負荷が均一にかかることを確認するため試験片に4枚の歪ゲージを貼付する。(2)の4点せん断方式のせん断荷重の負荷部には鋼球を用い,荷重の負荷精度に留意した。(3)のき裂面に静的モードI荷重を負荷するのは,き裂面間の摩擦の影響を除去するためである。予備的モードII疲労試験を行う過程において,当初製作した(3)のき裂面に静的K_Iを負荷する治具には問題があったので,負荷方式の変更など試験装置の改造を行った。また,(1)のテーパ式チャックの方法を採用したことによるき裂進展挙動の観察における問題点は,ファイバスコープの利用などの工夫により解決した。 上記のようなモードII疲労試験装置の構造上の問題を検討すると共に,アルミニウム合金に対して実験を行い,モードII疲労き裂進展挙動の観察ならびにき裂進展速度の計測等が可能であることを確認した。また,高張力鋼に対して実験を行い,開発したモードII疲労試験装置の機能を確認した。
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