研究概要 |
本研究では、光放射圧で微粒子を操作し、各種微粒子の組立てにより機能性材料を形成しつつ、3次元微小構造物を組立てる新しい技術の確立を目指した。その結果,空中での微粒子操作を世界に先駆けて成功させ,この操作法を利用することで,大気中での3次元微小構造物の組立技術が確立できた.以下,操作法,組立法について詳述する.まず,大気中で基板上に置かれた微粒子は,Q-swを用い幾つかの工夫によって捕捉可能であることが分かった.さらに,捕捉された微粒子の挙動を徹底的に観測し,対物レンズや基板の影響などを受ける特異で新たな物理現象が含まれていることも見出した.この操作法の開発によって,微粒子は空中を3次元で自在に操作できるようになった.本操作法を用いて,微粒子を垂直方向に浮上させ,ガルバノミラーにて水平操作することで微粒子からなる3次元微小構造物の組み立てに成功した.さらに,個々の微粒子を強固に組み立てるため,接着剤を用いた手法を開発し,構造物の強度を著しく向上させることに成功した.次に,構造物の効率的な組立法として,一本のレーザ光で複数微粒子を同時に配列させて搬送する自動操作システムを開発した.さらに,コンピュータによる個々の微粒子の同時かつ個別の運動制御が可能なシステムを構築した. 以上より,本研究の目的である「光放射圧を利用した3次元微小構造物の全く新しい組立技術の確立」が達成できた.
|