研究課題/領域番号 |
08555051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井上 剛良 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20193592)
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研究分担者 |
伊藤 弘基 三菱電機, 伊丹製作所, 主任研究員
鈴木 祐二 東京工業大学, 工学部, 助手 (20242274)
中別府 修 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50227873)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 速度選別器 / 並進エネルギー / 金属原子 / 蒸着 / 薄膜 |
研究概要 |
分子の固体表面への凝縮は蒸着技術として半導体産業など現代の最先端分野に応用され、近年進歩が著しい技術の一つである。しかしながら薄膜形成過程の物理・化学現象は十分に理解されているとは言い難い。本研究では従来から重要なパラメータであると言われている入射原子の速度を機械的に選別するHostettler-Bernstein型の分子線速度選別器を用いて熱電半導体薄膜であるBi,Teの合金及びBi2Te3を作成し、熱起電力による薄膜の評価を行った。その際従来の作成法通り基板温度の調節も併せて行った。その結果薄膜の評価が熱起電力測定で行え、基板温度が熱電半導体薄膜の作成時にも重要なパラメータであり、さらに速度選別を用いるとさらに優れた物性を有する薄膜を作成することができた。一方で速度選別真空実験では調べることができない薄膜生成の素過程に関して、分子動力学法により数値シミュレーションを行った。 その結果 1)基板温度は核成長速度及び再蒸発といった統計的な値だけでなく、さらには薄膜結晶構造に大きく影響を及ぼした。特に基板温度を上げすぎた場合、薄膜の結晶構造は大きく乱れた。 2)適度な基板温度においては入射速度及び蒸着頻度も薄膜生成に影響を及ぼし、薄膜の結晶構造を操作することが可能である。本シミュレーションでは小さい入射速度、小さい蒸着頻度によって良い薄膜の結晶構造を得ることができた。 しかしながら、どのようにして作成した薄膜の結晶構造が乱れるのかについて詳細な検討は行っておらず、基板と異なる方位の結晶構造の発生メカニズムに関する研究が必要である。また分子シミュレーションは簡単のため単原子分子の系で行っており、今後、実際に行われている金属や半導体などの系を計算するためには量子分子動力学法による計算が必要であると考えられる。
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