研究課題/領域番号 |
08555061
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機械力学・制御
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
熊崎 裕教 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (70270262)
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研究分担者 |
羽根 一博 東北大学, 工学部, 教授 (50164893)
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (30110183)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 動的膜厚測定 / イオンスパッタ装置 / 光学センサ / 石英コア振動子 / サイズ効果 |
研究概要 |
膜厚センサとして、以下の内容について検討を行った。 1. AuおよびAgを膜質とする基礎実験--いずれの場合も成膜とともに共振周波数はほぼ直線的に減少し、膜厚に対する共振周波数の相対的な変化率はAuの場合が0.015%/nm、Agの場合が0.009%/nmであった。共振周波数の相対的な変化率において、実験値と合成梁の振動に関する理論式より求めた計算値との総体的な傾向は類似であった。 2. 振動子のサイズ効果---はじめに直径がほぼ同じで長さの異なる3種類の振動子に対して共振周波数の膜厚依存性を測定した。膜厚に対する共振周波数の相対的な変化率に振動子の長さによる明らかな違いは見られなかった。膜厚の測定精度は共振周波数と共振周波数の相対的な変化率の積で決まるので、測定精度向上のためには短い振動子が有効である。次に長さがほぼ同じで直径の異なる3種類の振動子に対して同様の実験を行ったが、振動子の直径を変化させても測定精度に明らかな差は生じない結果となった。これより、膜厚測定精度が振動子の長さには大きく依存し、直径にはほとんど依存しないことが確認できた。 3. 共振点の追従および共振周波数の測定の自動化---膜厚測定の際、パソコンを用いて励振用レーザの周波数制御を行いながら振動信号を取り込み、共振点の追従および共振周波数の測定を自動で行うことを試みた。測定に要する時間が減少するとともに、共振周波数測定値の標準偏差を手動測定の場合と比べて2割程度低下させることができた。 4. FCコネクタ装着型薄板ガラス振動子による膜厚測定---集光用マイクロ琲レンズを内蔵したFCコネクタ(アダプタ)部品の先端部に、光熱吸収用のCrおよびAuを蒸着した薄板ガラスを挟み込んで固定した。成膜中でも光学系の調整をすることなく、膜厚に対する共振周波数を測定することができた。Auの成膜とともに薄板ガラス振動子(長さ5mm、幅2mm)の共振周波数は単調に減少し、Au500nmの成膜によって共振周波数は3.28kHzから37Hz程度減少し、膜厚500nmまでの平均的な周波数の変化率は0.074Hz/nmであった。 5. 4種類の膜質に対する膜厚測定---石英コア振動子からの戻り光によって検出した共振周波数の変化を利用して、4種類の膜質について膜厚センシングを行った。共振周波数が5kHz程度とほぼ同じ4本の石英コア振動子(直径30μm程度、長さ2.2mm程度)を1本ずつイオンスバッタ装置内に設置し、振動子に各々Au,Ag,Mo,Crを成膜しながら共振周波数の膜厚依存性を測定した。密度の高い膜質ほど共振周波数が大きく変化する結果が得られた。共振周波数は膜の弾性によってはほとんど変化せず、共振周波数の変化は振動子の付加質量だけに依存すると考えられる。
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