研究課題/領域番号 |
08555072
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 英機 北海道大学, 工学研究科, 教授 (60001781)
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研究分担者 |
坂井 高正 第日本スクリーン製造(株), 電子機器事業本部開発部, 課長(研究職)
藤倉 序章 北海道大学, 工学研究科, 助手 (70271640)
橋詰 保 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (80149898)
福井 孝志 量子界面エレクトロニクス研究センター, 教授 (30240641)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1997年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 非接触・C-V / 超高真空一貫システム / 表面・界面準位 / 表面プロセス / フェルミ準位ピンニング / 水素終端シリコン表面 / 極博絶縁膜 / ECRプラズマ / 酸窒化膜 / 非接触C-V / 半導体自由表面 / 極薄絶縁膜 / トンネル絶縁膜 / 原子スケール表面制御 |
研究概要 |
本研究の目的は、超高真空中や各種プロセス雰囲気中で、半導体の伝導形、不純物プロフィール、表面準位分布、表面近傍のバルク局在準位分布を測定することを可能とする、「超高真空非接触・非破壊容量-電圧(C-V)測定システム」を設計・試作・評価し、表面再構成や表面緩和した半導体表面、原子レベルでの処理をした表面、極薄絶縁膜をもつ表面などの電子物性評価に適用することである。得られた主要な成果を以下にまとめる。 1)「超高真空非接触・非破壊容量-電圧(C-V)測定システム」の4つの主要構成部の設計・製作を、次に示すように行った。(1)試料搬送機構を含む超高真空チャンバを製作した。(2)C-V測定用フィールドプレートと試料表面を100〜300mmの一定距離に維持するために、超高真空対応のピエゾ機構を備えた平行維持電極制御部を設計・製作した。(3)光学手法によりフィールドプレートと試料表面間の超高真空ギャップ測定部を設計・製作した。(4)配線容量の補正機構を備えた容量測定部およびデータ解析部を製作した。 2)これらの構成部を中心として全体のシステムを組み上げ、基本動作を確認し、さらに、超高真空一貫成長/評価/加工システムと接続し、超高真空環境を保持したまま、非接触・非破壊C-V評価を行った。 3)水素終端処理シリコン表面の非接触C-V測定を行った結果、水素終端Si(111)表面には、価電子帯から0.7eV付近の位置に高密度の離散的な準位が発生し、フェルミ準位がピンニングされることを明らかにした。 4)弗化アンモニウム処理されたSi(100)表面では、自然酸化膜が残留し、大きなヒステリシスを伴うC-V曲線が観測されたが、この表面をECR支援水素プラズマ処理することによって、ヒステリシスが大幅に減少し、水素プラズマ処理が界面準位の低減に効果的であることを示した。 5)400℃以下の低温で酸化した極薄絶縁膜を有するシリコン表面および低温プロセス(化学酸化法、低温熱酸化法)で形成した極薄酸化膜/Si界面は、いずれもGaAs MIS構造に類似したC-V特性を示し、狭いU字形の高密度界面準位分布を有し、フェルミレベルは電荷中性点付近に強くピンニングされてる、ことが明らかとなった。 6)電子サイクロトロン励起N_2Oプラズマによる酸窒化によって、界面準位密度が1x10^<11>cm^<-2>eV^<-1>程度の良好な界面特性を有する、極薄酸窒化膜/Si界面が、400℃の低温で形成できることが示された。 7)超高真空中で熱清浄化されたInP表面、エピタキシャル成長されたGaAsおよびInP表面に非接触C-V法を適用し、これらの化合物半導体表面には高密度の表面準位が存在することを、初めて明らかにした。
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