研究分担者 |
吉沢 弘之 東燃株式会社, トウシート事業室, 課長代理
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 教授 (60134334)
町田 篤彦 埼玉大学, 工学部, 教授 (50008869)
岩松 幸雄 福島工業高等専門学校, 校長 (10160136)
福澤 公夫 茨城大学, 工学部, 教授 (50165271)
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研究概要 |
本研究の成果としては,1)震災を受けた鉄筋コンクリート構造物の破壊性状および原因に関する分析調査を行うと共に,地震衝撃などの高速載荷下におけるコンクリート構造物の脆性化遷移現象に着目し,コンクリート圧縮や引っ張り性状のひずみ速度依存性を考慮した有限要素解析法を構築することによって,大規模せん断破壊被災を受けたコンクリート構造物の破壊性状メカニズムの解明を試みた.さらに構造設計や耐震補強設計におけるコンクリート構造物の曲げ・せん断比の要求に関する検討を行った. 2)既存の鉄筋コンクリート設計法および変形適合条件や各種材料の応力-ひずみ関係を導入した簡易解析法により,補強された構造部材(梁,柱,スラブ)の典型的な破壊パターン,既存設計法の適用性に関する検討を行った. 3)本研究で構築してきた複合補強効果の理論解析法を用いて,補強されたコンクリート構造部材におけるFRPシートのひび割れ抑制効果,ひび割れ間隔の変化,引っ張り硬化についての評価を系統に行うことによって,設計指針整備への有用な知見を与えることができた. 4)本研究で開発してきたコンクリート亀裂やFRPシート剥離などを統一に評価できる有限要素解析手法を用いて,補強構造部材の破壊メカニズムの解明および補強効果の評価を行った.実験成果と併せて,鉄筋コンクリート構造部材のせん断設計法に関する検討,靭性評価,耐剥離構造設計法に関する検討を試みることができた. 5)コンクリート中の水分,塩分,樹脂種類などを変化させた実験を行い,付着工法の耐久性に関する検討を行うことによって,指針作りの基礎データをかなり整備した. 6)合理化補強設計および最適補強設計のあり方に関する検討を行うため,FRPシート補強材の用量による各種構造部材の補強効果,破壊性状の変化を確認するための実験研究を実施した. 7)民間会社と共同で開発してきたFRPシートの緊張接着工法に基づき,現有のFRP接着工法からの発展性を示した. 以上より,本研究ではFRPシート接着工法の設計指針整備に対して,既存構造物の構造評価,補強された構造物のひび割れ評価と制御,耐せん断設計,耐剥離設計,耐久化設計および最適補強設計などに大きな知見を提供することができた.
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