研究分担者 |
加藤 暢彦 ショーボンド建設(株), 西日本技術センタ, 課長
上平 謙二 ドーピー建設(株), 技術センタ, 主任研究員
平城 弘一 摂南大学, 工学部, 助教授 (00123612)
堀川 都志雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30047401)
鬼頭 宏明 大阪市立大学, 工学部, 助手 (40177879)
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研究概要 |
1.84体のフルサンドイッチ供試体に対する側圧制御式直接せん断実験より: (1)主たる破壊形式は,突起前面でのコンクリートの局所的な圧壊による支圧破壊であった.なお,一部突起配置間隔の狭い供試体では突起頂部を結ぶようにひび割れが発生するせん断破壊も観察された. (2)最大せん断応力すなわち(平均)付着せん断強度に到達するまでは,コンクリートと突起付き鋼板の相対水平変位すなわちずれ変形は発生せず,その後ずれ変形が発生すると共に保有せん断応力が急激に低下する脆性的な変形挙動を呈した.また,最終的な保有せん断応力は,概ね鋼とコンクリートとの摩擦強度に相当した. (3)突起形状とその配置方式ならびに側圧強度を因子とした突起付き鋼板の付着せん断強度算定式を提案し,その妥当性を検証した. 2.30体のオープンサンドイッチはり供試体に対する曲げ実験より: (1)実践的な応力状態の下で鉄筋コンクリート部材内の異形鉄筋の付着せん断強度を評価できるとされているRILEM/CEB/FIPのはり曲げ試験に準じた形式で突起付き鋼板の付着せん断強度を評価する試験方法を開発した. (2)突起形状とその配置方式,鋼板厚ならびに付着長さを実験変数として得られた付着強度は,1.(3)で提案した算定式にて側圧強度を零とした算定結果に良好に対応した. 3.13体のスタッドを併用したオープン/フルサンドインチ供試体に対する各種実験より: (1)得られたせん断強度は,スタッドのせん断強度算定値と1.(3)で提案した突起付き鋼板の付着せん断強度の単純累加値を下回った. (2)その理由は両者のずれ変形挙動の相違,すなわち剛な挙動を呈する突起付き鋼板と柔な挙動を呈するスタッドでせん断強度に達するずれ変形量が異なることに起因すると考えられた.
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