研究概要 |
本研究は、水道の高度処理に用いられる生物活性炭ろ過について,これを制御し,ひいてはその設計法を確立することを目的としている.処理の対象物質は親水性のアンモニアと疎水性の臭気物質であり,これらの同時除去も目的となる.主たる成果を以下にまとめる。 1. 微生物の分解能、特に馴致期間をpH値とマグネシウム/カルシウム比(Mg/Ca比)で制御できることを見い出した。 2. オンラインプロセス自動分析装置を全面的に活用し,琵琶湖水のpH値、マグネシウム/カルシウム比を自動的に制御する方法を確立した 3. 2-メチルイソボルネオールとアンモニアを高効率に同時に分解させるため,琵琶湖水を用いて,そのpHおよびMg/Ca比を制御しつつ,生物分解性を検討した.自動制御を行うことによって,同時除去に関する技術的な手法を示した。 4. 琵琶湖水を通水した生物活性炭ろ過層における除去過程についても、同様の検討を行った。除去効果の変動要因について、MIBやアンモニアの水素解離物質とMgやCaなどの金属イオンとのキレート結合にあるものと推論した。自動滴定の結果から、この解離係数を数値化し、現象の理論的考察を可能にした。PHやMg/Ca値に依存する親和能を以下に数値化し、解析に活用すればよいかも例示することができた。
|