研究概要 |
凍結乾燥法を用いて,三種類の多孔質セラミック,すなわち,高配向性多孔質セラミックス,高気孔率多孔質セラミックス,耐熱性多孔質セラミックスを製造した. 原料溶液に硫酸マグネシウム水溶液を用い,これを凍結方向を制御しながら一方向凝固させた.この凍結体中では,氷晶は一方向に生長している.そこで,これを真空乾燥して氷を昇華させると,昇華痕が細孔となって残っている乾燥体を得た.この乾燥体を仮焼・焼成すると,細孔の方向が一方向に揃った高配向性の多孔質マグネシアが得られた. 硫酸マグネシウム水溶液を噴霧凍結し,これを乾燥,仮焼すると多孔質の酸化マグネシウム微粒子が得られた.この微粒子を原料にして,通常のセラミックス製造法にしたがい成形・焼成し,高い気孔率(0.5〜0.85)を持つ多孔質マグネシアを得ることができた. 原料に硫酸マグネシウムと硫酸アルミニウムの混合水溶液を用いると,高い耐熱性を示す多孔質マグネシアを製造することができた. 上記の方法で得られた多孔質セラミックス体は,高温で操作するセラミックス分離膜の膜基材としてじゅうぶん使用できるものと期待される.
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