研究課題/領域番号 |
08555191
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
北村 吉朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90032945)
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研究分担者 |
松葉 頼重 ハリマ化成(株), 中央研究所, 主任研究員
松山 秀人 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (50181798)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1996年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 膜抽出 / 高度不飽和脂肪酸 / 親水性膜 / 疎水性膜 |
研究概要 |
高分子多孔質膜の濡れ特性を利用した高性能な高度不飽和脂肪酸の抽出装置の試作を行った。本抽出装置は、疎水性膜と親水性膜からなり、中央部分に原料溶液を供給するタイプのものである。分離対象の溶質系としてはオレイン酸/リノール酸およびそれらのメチルエステル系を用いた。有機相はヘプタンであり、親水性相としてアセトニトリルを用いた。溶質成分の分離特性について実験的検討とシミュレーションを行い、次の結論を得た。 1.試作装置による抽出実験から、中央フィードによる供給方法が有効であり、その場合回収部には抽出相に濡れる膜を、濃縮部には原料相に濡れる膜を使用すれば効率が良いことがわかった。オレイン酸とリノール酸、およびそれらのメチルエステルを溶質成分に用いた実験結果から、装置の回収部と濃縮部を十分に機能させるためには、溶質の油-水相間の分配が重要であることが明らかとなった。 2.膜の長さやアセトニトリル相流量を変化させてシミュレーションを行った結果、メチルエステルの分離特性は疎水性膜の長さに大きく依存し、親水性膜の長さの影響は小さかった。また、脂肪酸の分離特性は、疎水性膜および親水性膜の両方の長さに依存していた。アセトニトリル流量を大きくすると、一般的にアセトニトリル相での純度は低下するものの、ヘプタン相での純度は増加することが明らかとなった。さらに、脂肪酸や脂肪酸のメチルエステルを用いた実験結果は、方法で得られた計算結果と良好に一致した。従って、このような膜抽出法による高度脂肪酸の分離について、操作条件の設計指針が確立できたといえる。
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