研究分担者 |
平田 誠 大分大学, 工学部, 助教授 (20264327)
酒井 謙二 大分大学, 工学部, 助教授 (50205704)
森口 充瞭 大分大学, 工学部, 教授 (70026574)
三浦 重信 (株)武蔵野化学研究所, 主任研究員
高梨 啓和 大分大学, 工学部, 助手 (40274740)
|
配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
1998年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
|
研究概要 |
生分解性ポリマーの原料を対象としたL-乳酸の製造プロセスに関し,バクテリア(Lactobacillus rhamnosu)ならびに糸状菌(Rhizopus oryzae)を用いて,発酵,生成物分離の両側面から検討を行い,下記の成果を得た。 1.Lactobacillus rhamnosusによる抽出発酵システムにおいて,カチオン交換樹脂を充填したクリーニングカラムを組み込むことで毒性の強い抽出試薬の完全除去が可能となり,安定に発行を行うことが可能となった。従来型の回分発酵では,200g/lの初期グルコース濃度で操作した場合,基質阻害と生成物阻害により発酵途中で停止したが,本抽出発酵システムでは,生成物阻害を抑制することにより完全に発酵させることが可能であった。 2.Lactobacillus rhamnosusによる電気透析発酵システムにおいて,水の電気浸透を利用した連続発酵法を提案し,長期にわたり高い生産性で安定に操作することが可能であった。さらに,グルコースセンサーを用いて供給基質濃度を切り換えることにより,槽内グルコース濃度を一定値で低く維持し,収率を向上させることが可能となった。 3.Lactobacillus rhamnosuによる発酵では,グルコースや乳酸による阻害には影響しないものの,活性炭を発酵系に添加することにより,生産性ならびに収率を向上させるとともに,極めて清浄な発酵液を得ることができ,ダウンストリームの簡略化が可能となった。 4.乳酸発酵システムの評価として,これまでに検討したシステムを比較検討し,小規模な回分発酵にはL.rhamnosusによる抽出発酵システム,小規模な連続発酵にはL.rhamnosusによる電気透析発酵システム,大規模な回分発酵にはR.oryzaeによる発酵が適することが明らかとなった。
|