研究概要 |
1.細胞の懸濁液を目的の基板と,パターンの型となるマイクロアレイ電極ではさみ,電極に細胞が反発する周波数領域の交流を印加した.細胞が負の誘電永動力(反発力)受ける周波数領域の交流を印加すると,細胞は電力線の密度の低い方へと移動する.その結果,細胞は電極の真下の部分へと集合し,電極パターンと同じ形に配列した.2.ガラスキャピラリ先端部に3種の電極を配置したエレクトロポーション電極を作製した.パルス印加により細胞膜に細孔形成させた後,永動用電圧を印加したところ,キャピラリ内部の荷電種を永動により細胞内部に注入することが可能であった.植物細胞を用いた検討により,ポレーション電極内部の科学種が細胞内に注入できることが明らかとなった.3.マイクロ電極を拡散層内に挿入し,Fe(CN)_6^<4->,Fe(CN)_6^<3->,Co(phen)_3^<2+>,フェロセニルメタノール,キノン,ヒドロキノンの生きた単一細胞の膜透過計数(Pm)を評価した.その結果,キノンやヒドロキノンのように分子が比較的小さく,中性型で存在する物質は極めて細胞膜を透過しやすく,電荷を持ち親水性の物質はほとんど透過しないことが明らかになった.4.キノンを含む溶液中で植物細胞膜の近くにマイクロ電極を置き,単一植物細胞が,呼吸あるいは光合成により呼吸するキノンと放出するヒドロキノン量を定量的に決定した.
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