研究分担者 |
馬渕 勝美 (株)日立製作所, 日立研究所, 研究員
佐伯 功 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50235090)
田村 紘基 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10002023)
馬淵 勝美 (株)日立製作所, 日立研究所, 研究員
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配分額 *注記 |
17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1996年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
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研究概要 |
1. (La,M^<II>)(Cr,Mn)O_<3-8>,薄膜[M^<II>=Ca、Sr]の調製:スプレーパイロリシス法により、基板上にLa-Ca-Cr-Mn系とLa-Sr-Cr-Mn系ペロブスカイト型複合酸化物薄膜を形成した。本法により酸化物薄膜厚さと組成が制御でき、Mn置換により電導性の向上、Ca置換では粒子間焼結性の向上による電導性の上昇が、Sr置換では粒子成長の促進による電導性低下が確認された。 2. 酸化チタンと酸化タングステンの混合酸化物薄膜の光電気化学挙動:金属Ti基盤にWを真空蒸着後、1073Kと1173Kで酸化しTiO_2-WO_3混合酸化物薄膜を合成した。光電流は、薄膜のW量の増加と共に、酸化物膜作成時の酸化温度の上昇と共に大きくなった。Wが薄膜の深さ方向に均一に分布しており且つその量が多いことが大きな光電流発生の条件となることが結論された。 3. Type430ステンレス鋼の高温酸化反応の初期挙動:ステンレス鋼は、近年、焼却炉材などの高温材料として注目されているが、高温環境下ではブレークアウェーと呼ばれる突発的急速酸化反応が起こることがある。酸化物皮膜の形態、組成、構造をSEM,XPS,XRDにより検討し、ブレークアウェー発生は高温での酸化初期に生成する保護性酸化物皮膜の性質に依存し、その性質は合金組成、酸化雰囲気、高温に至るまでの昇温履歴で決定されることを明らかにした。 4. アルミニウムの2段階陽極酸化プロセスによる高耐腐食性薄膜の被覆:アルミニウム表面を、(1)クロム酸-リン酸溶液で処理した後、(2)硫酸中で陽極酸化する。この二つのプロセスにより、3価のクロムと燐酸イオンを含む、多孔性のアルミニウム複合酸化物薄膜が形成され、この薄膜は塩化物イオンを含む系における下地アルミニウムの耐孔食性に優れ、薄膜自身の硬度も大きいことが明らかにした。 5. 酸化物表面の酸塩基特性:酸化物表面の酸化物イオンは水溶液中では水酸基化し、酸型と塩基型水酸基を生成する。Al_2O_3,Fe_2O_3,Fe_3O_4,TiO_2,MnO_2について、表面水酸基の存在密度の測定方法を確立し、水酸基の解離反応をモデル化し、それに基づき水酸基の解離平行定数を理論計算し、Li,Na,K,Csの1価イオン、Ni,Zn,Co,Mn,Cu,Pbの2価イオンついて実測の交換反応挙動を良く説明できることを明らかにした。
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