配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
平成8年度の研究申請の段階で本研究の目標とした3点について順に述べ,最後にそれ以外の研究成果をまとめる。 (1) 液晶の配向制御をフォトクロミズムによって行う 本研究によって,ビナフトールを縮合したインドリルフルギドがジアステレオ選択的なフォトクロミズムを起こすことを明らかにした。このフルギドをネマティック液晶にドープすると,コレステリック液晶相を示し,さらに光照射によるフォトクロミズムによって,コレステリックピッチが大幅に変化した。この結果,光照射をスイッチとして液晶の物性を制御することができた。 (2) 蛍光の発光制御をフォトクロミズムによって行う 蛍光は非常に高感度で検出できるので,系の状態を蛍光で知る有効な方法となる。ビナフトールを縮合したインドリルフルギドは,環化着色体は室温で強い蛍光を発光するが,開環無色体は蛍光を出さない。従って,発光の有無を光で制御できることが明らかになった。 (3) フォトクロミズムによる,CD,旋光度の変化 光学分割したインドリルフルギド,ビナフトールを縮合したインドリルフルギド,ビナフトールを縮合したベンゾフリルフルギドの,フォトクロミズムにともなうCDスペクトル,旋光度の変化を測定した。その結果,らせん不斉を有する部位があると旋光度変化が大きいことがわかった。 (4) それ以外の研究成果 1. ゾルゲル法によって作った有機ガラスの中でも,フルギドがフォトクロミズムを示すことがわかった。 2. C_2対称性をもつビスチエニルフルギドを,嵩高いフルギド類を合成するのに有効なPd触媒によるカルボニル化法により合成し,そのフォトクロミズムを調べた。 3. クラウンエーテルや相補的水素結合部位を持つフルギド類を合成し,ゲストの存否によるフォトクロミックな性質の制御,およびフォトクロミズムによって引き起こされる錯形成能やスペクトル的性質の制御を行った。
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