研究課題/領域番号 |
08555231
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山本 明夫 早稲田大学, 理工学研究科, 教授 (30016711)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
1998年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1997年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1996年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | パラジウム錯体 / カルボニル化 / アミド / エステル / 酸無水物 / 炭素-酸素活性化 / 水素化 / アルデヒド / パラジウム錯体触媒 / 酸化的カルボニル化反応 / アルコキシカルボニルパラジウム錯体 / カルバモイルパラジウム錯体 / シュウ酸エステル / シュウ酸ジアミド / ジケテン / カルボニル化反応 / ベンジルパラジウム錯体 / 酸化的付加 / 還元的脱離 / フェニルアセチルパラジウム錯体 / アリルアルコール / ベンジルアルコール / 二酸化炭素 / カルボン酸 / ヒドロエステル化 / フェノール |
研究概要 |
研究代表者は、有機パラジウム錯体の一酸化炭素との反応性および炭素-酸素結合活性化に関する基礎的研究を行い、得られた知見に基づき、有機合成化学において有用な新規触媒プロセスを開発した。 有機パラジウム錯体の反応性に関する研究では、多くの場合に、カチオン性有機パラジウム錯体が対応する中性錯体に比較して高い反応性を示す。そこで、種々のカチオン性モノメチルパラジウム錯体を合成し、それらの一酸化炭素に対する反応性について検討した。その結果、錯体の電気的性質に関係無く、パラジウムに結合している配位子の配位力が大きくなるにつれて反応性が低下することがわかった。このことから、中性錯体に比べカチオン性錯体の反応性が高くなる要因は、カチオン性パラジウム錯体が容易に空配位座を生成しやすいためであることを明らかにした。また、パラジウム錯体によるカルポニル化反応の反応機構を明らかにするために、種々のアシルパラジウム錯体と第二級アミンあるいはアルコールとの反応について検討したところ、アミンは、まずパラジウム錯体の空配位座に配位し、次に塩基の存在下にアシル基と反応することによりアミドを生成すると考えられるのに対し、アルコールは一旦アシル(アルコキソ)パラジウム錯体を形成した後に還元的脱離反応によりエステルを生成することが分かった。さらに、パラジウム錯体による酸無水物およびエステル類の炭素-酸素結合切断反応に関する研究を行ったところ、0価パラジウム錯体により、様々なカルボン酸無水物、エステルおよびラクトン類の炭素-酸素結合が穏和な反応条件で切断されることが分かった。 これらの結果に基づき、次のような新規触媒反応を開発した。(1)触媒量のパラジウム錯体存在下、アリルアルコールとジエチルアミンとの反応は室温、二酸化炭素雰囲気下で著しく促進され、対応するアリル化反応成績体が高い収率で生成することを見出した。(2)触媒量のパラジウム錯体およびヨウ化水素存在下に、ベンジルアルコール類を直接カルボニル化し、フェニル酢酸誘導体を高収率で生成する反応を開発した。(3)水素加圧下、触媒量のパラジウム錯体を用い、カルボン酸無水物、あるいは、無水トリメチル酢酸存在下に直接カルボン酸を水素化することにより、選択的に高収率でアルデヒドを合成する反応を開発した。
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