研究概要 |
最近,船,飛行機,原子力施設などの複雑な組織のような大規模構造物が造られている.これらはたびたび,金属疲労破壊により,大惨事に至る.一般にこのような荷重は,ランダム荷重と呼ばれ,惨事を防ぐためにランダム荷重試験の重要性は大きい. 荷重履歴が狭帯域ガウシアンランダム過程に近づくとき,ランダム疲労試験をパーソナルコンピュータで簡単に実行することができる. そこで、本研究において、パーソナルコンピュータを用い、FFTを利用して狭帯域ランダム過程の包絡線をシミュレートする試験プログラム(ENVELOPE 法)を作成した.さらに、本手法を用いたランダム疲労を行ない、鋼材の疲労き裂伝播率の挙動について検討した。すなわち、実働荷重のパワースペクトルを有効狭帯域の矩形プログラムに置き換えられる場合について、スペクトルのバンド幅による荷重履歴の違いが疲労き裂伝播に及ぼす影響を調査し、効率の良い試験法を検討した。 以上の結果から、小型パソコンでも実働荷重に近い荷重履歴を充分再現できる可能性について示した。
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