研究分担者 |
佐藤 正志 秋田県立農業短期大学, 附属農場, 助教授 (90110585)
横田 清 岩手大学, 農学部・附属農場, 教授 (60109155)
張 樹槐 弘前大学, 農学生命科学部, 助手 (90261429)
荒川 修 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (70184265)
浅田 武典 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10003518)
|
研究概要 |
高品質、高収量リンゴ果実生産の省力、低コスト栽培を可能にする日本型のわい化栽培技術を開発することを目的として研究を行い,得られた結果の主なものは以下のとおりである。 1. 果台枝の長さが果実品質に及ぼす影響について,‘ふじ'など6品種を用いて調査した結果,‘陸奥'では果台枝の長さが30cmで果実重が大きかったが,その他の品種では差は認められなかった。また,結果技を腋生スパーと頂生スパーの2種類に,また,腋生芽にわけて果実品質の違いについて検討した結果,大きな違いは認められなかった。 2. 着果量の違いは,新梢の伸長にはあまり影響しなかったが,枝の貯蔵養分は着果量が大きい樹で少なかった。着果量が多いと果実は小さく,また,着色可溶性固形物含量も少なく,品質が劣った。 3. 総合的に見て,わい化栽培で良品を得るための樹勢として,頂端新梢長が30cm程度,5cm以下の短果技比率が60%ぐらいの中庸な樹勢の状態が望ましいことがわかった。 4. ‘ぶじ'におけるMCPB-ethylによる摘果の実用化について検討した結果,散布時期については中心花満開1日後から同5日後頃までの散布で効果があり,同3日後位までが,適期であることが分かった。また,散布の濃度については,15ppmを標準濃度としてよいと考えられた。この時,果実肥大抑制や果形の変形は認められず,着色も含めて果実品質への影響も認められなかった。 5. 機械収穫の基礎資料として,樹上のリンゴ果実と葉などの間に温度差が存在していることに着目し,赤外線熱画像によるリンゴの検出の可能性について検討した結果,晴れ,無風の日の場合,リンゴと葉との間に1℃以上の温度差があり,この温度差情報を利用することによって容易に2値画像が得られ,リンゴを検出することが出来た。さらに,2値画像の中でリンゴの輪郭線が円形状をしていることに着目し,遺伝的アルゴリズム(GA)を応用したパターン認識によるリンゴの検出問題を2値画像から円図形の抽出問題とみなし,その検出アルゴリズムを構築しリンゴ果実を認識出来ることを確認した。
|