研究概要 |
本年度は、ペプチドのC-末端からのシークエンス分析への発展が期待できる分析法(アミノ酸をメチルエステルへ導き、さらに水素化ホウ素ナトリウムでアミノアルコールへ変換し、それを(S)-MNB-カルボン酸または(S)-TBMBーカルボン酸で標識、HPLCで分離し、その種類とD,Lを蛍光分析する)について研究を行った。 アミノアルコールのモノ-Nー標識化ではアミノアルコールの分離は(S)-MNB-カルボン酸が遥かに優れていることが分かった。しかし、アミノアルコールのD,Lを決定するためには、(S)-MNB-カルボン酸ではHPLCで標準試料との比較が必要であった。一方、(S)-TBMB-カルボン酸は、ジ-N,Oー標識でアミノアルコールの種類とそのD,L-を良好に分離でき、そらにCDの検出波長を選択することによってそのD,L-を決定できることが分かった。しかし、アミノアルコールごとあらかじめCDを測定しておき、その検出波長を決定しなければならないという欠点も明らかとなった。そこで、アミノアルコールをあらかじめ無水フタール酸で処理しフタールイミドに導き、水酸基(S)-TBMB-カルボン酸でエステル化した誘導体はアミノアルコールの種類(アミノ酸の種類に相当する)をHPLCで良好に分離することができ、D,L-をも分離できること、さらに225nmでCD検出すること、その符号によって一義的にアミノアルコールのD,L-をも決定できることを明らかとした。このようにしてアミノ酸の種類、そのD,Lのオンラインで決定する方法を開発することができた。
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