配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
|
研究概要 |
化学物質β-ベンゼンヘキサクロライド(β-BHC),p,p′-ジクロロジフェニルジクロロエチレン(DDE),クロロニトロフェン(CNP),アンピシリン,o-アセチルクエン酸トリブチルエステル(ATBC)の免疫系に与える影響を解析した.まず,in vitroにおけるマウスT細胞の増殖とインターロイキン(IL)-2,IL-4,IL-10およびインターフェロン-γの分泌に与える影響を調べた.物質によって,上昇,阻害,濃度によって上昇と阻害の両方などの複雑な効果が認められた.次にin vivo実験系を用いて経口摂取抗原により誘導される抗体応答に対する影響を検討した.それぞれの物質において,投与法,投与量,抗体アイソタイプなどにより与える影響が異なりこの場合も複雑な効果が認められた.卵白アルブミン(OVA)特異的T細胞のT細胞抗原レセプター遺伝子を導入したトランスジェニックマウスにOVA飼料を摂取させることにより,脾臓中にIL-4産生能の高いT細胞が誘導され,血中IgE応答が誘導される.そこでこの実験系を用いて食物アレルギーの関わる免疫応答に対する影響について検討した.その結果,ATBCにより脾臓細胞のIL-4号産生が抑制された.さらにこのトランスジェニックマウス由来の脾臓T細胞のサイトカイン分泌への脂質代謝系の物質の影響を調べた.その結果,リノール酸とアラキドン酸が低濃度でIL-4分泌を抑制した.これらの実験系はアレルギー応答に関わる免疫応答に影響を与える食品成分の検索に有用と考えられる.一方で乳製品の製造に用いられるLactobacillus caseiがin vitro IgE産生に与える影響を調べた.L.caseiはマクロファージによるIL-12産生の増強を介してIgE産生を抑制した.乳酸菌はIgEが関与するアレルギーの抑制に有効である可能性が示された.
|