研究課題/領域番号 |
08556043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 裕司 (森 祐司) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40157871)
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研究分担者 |
澤崎 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00012047)
市川 真澄 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (20124414)
武内 ゆかり 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10240730)
山口 五十麿 (山口 五十磨) 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00012013)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1997年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1996年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 生殖フェロモン / GnRH / 視床下部 / 多ニューロン発射活動 / 雄効果 / 鋤鼻嗅覚系 / バイオアッセイ / シバヤギ |
研究概要 |
本研究の目的は、視床下部GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)ニューロンの神経内分泌活動を指標とする感度と特異性に優れたフェロモン生物検定系を確立し、これを用いてヤギやヒツジなど反芻家畜においてよく知られている雄効果とよばれるフェロモン現象(非繁殖季節に雌の卵巣機能を活性化する雄フェロモンの効果)の背景となる分子の純化精製を進めること、そして強力な向中枢作用のメカニズムを明らかにすることを目指した一連の実験を行うことであったが、2年間の実施期間中に以下に概括されるような成果を得た。 まず本研究のモデル動物としては、クローズドコロニーが作られるなど実験動物化が進められ、また筆者らにより脳研究のための基本的手法が確立しているシバヤギを供試した。そして視床下部内側底部に記録電極を脳定位的に留置して、GnRHパルス分泌駆動機構の活動を多ニューロン発射活動(MUA)として持続的にリアル解析しうるシステムを開発し、この特異的MUAを指標として、覚醒状態においてフェロモンの中枢作用を評価した。その結果、雄効果をもたらすフェロモンはアンドロジェン依存性に雄ヤギの頭頚部の皮脂腺において産生されること、また呈示した雌の視床下部に直ちに作用し呈示時間に応じてGnRHパルス駆動機構を可逆的に活性化し、GnRH神経分泌のパルス頻度を上昇させることで性腺活動及び性行動を賦活化することが明らかとなった。この独自の生物検定系を用いたフェロモンの精製を進めたところ、まだ分子の同定には至っていないものの、現在までに分子量400以下の弱酸性脂溶性物質であることが判明した。以上本研究より、今後の研究でフェロモン分子の実体と産生機序を解明し、哺乳類で初めてのプライマーフェロモン分子の同定と、合成フェロモンを用いた動物の生殖制御技術の確立の基盤となる情報を得ることができた。
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