研究課題/領域番号 |
08557018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
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研究分担者 |
渡邉 俊樹 (渡辺 俊樹) 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
1998年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1997年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1996年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / bcl-6 / 染色体転座 / mRNA / キメラ遺伝子 / リンパ腫 / 染色体 / p80NPM / ALK / キメラ蛋白質 / 未分化大細胞型リンパ腫 / ALK遺伝子 / TLS / CHOP遺伝子 / bcl6遺伝子 |
研究概要 |
異なる2つの遺伝子が染色体転座によって融合し、その結果本来生体に存在しないような遺伝子が生じることがある。これはキメラ遺伝子と呼ばれ、またそれから合成される蛋白質はキメラ蛋白(質)と呼ばれる。キメラ遺伝子およびキメラ蛋白が疾患特異的に発現することに注目し、これを標的とする診断法と治療法の開発を志して以下の研究を行った。 (1) 疾患の発症原因となる新たなキメラ遺伝子/蛋白の同定: 1) BCL6関係:大細胞型B細胞性リンパ腫において片方の遺伝子を転写因子BCL6とする20種類のキメラ遺伝子を同定した。その多くは既知遺伝子を相方とするキメラであり、そのなかで免疫グロブリン重鎖遺伝子が役半数を占めたが、残りの相方は多様ですべて従来知られていない形の組み合わせであった。 2) TLS/CHOP関係:ヒト脂肪肉腫症例から、従来知られていないあらたなきめら蛋白としてTLS/FUS-CHOP typeIIを同定した。 (2) 同定しえたキメラ遺伝子/蛋白の機能の解明: 1) NPM/ALK 2) BCL6関連キメラ遺伝子について、それらの生物学的機能をあきらかにした。(文献参考のこと) (3) 診断法の開発と、それを用いた疾患診断の成果: ALK蛋白に対する抗体によってリンパ腫を検索し、それが2;5染色体転座を持つ悪性リンパ腫の診断に大変有効であることを示した。また従来型別種のリンパ腫であると考えられていたlymphohistiocytic型リンパ腫がこのキメラ蛋白を保有していることが判明し、その他の古典的未分化大細胞型リンパ腫と同一の実体であることが明らかになった。 (4) 治療法開発の試み: キメラ蛋白を発現するヒト腫瘍を免疫不全マウスに移植し、約20の細胞株を得た。これらに対する治療法開発のためにまずこれらの細胞がマウス内でどのような自然史をとるかを調べたが、いずれも無加療状態では年余にわたって増殖し続けることが判明した。
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