研究概要 |
本研究では,人体深部の腫瘍を加温可能なリエントラント型加温装置を設計・試作し,ファントム及び動物による加温実験結果から,本装置の加温特性を医学的また工学的に総合評価・検証した.以下に主な成果を示す. (平成8年度) 1.リエントラント型空胴共振器ならびに励振用アンテナの設計・試作 2.周波数可変発振器ならびにインピーダンス整合器の設計・試作 3.高周波アンプならびに安定化電源の設計・試作 4.加温システム制御用ソフトウェアの開発 上記1.〜4.で試作した本加温システムを用いて加温特性の評価を実施した.その結果,筋肉等価寒天ファントムの深部をほぼ同心円状に加温可能であることを確認した.なお,ファントムの温度計測には,本補助金により導入した高性能サーモグラフィ装置を使用した. (平成9年度) 新潟大学脳研究所の協力を得て,本試作加温システムによるイヌの腹部および頭部の加温実験を実施した.その結果,本加温システムによれば,血流量の多い肝臓および脳の深部をハイパーサーミアの目的とする42〜43℃に加温できることを明らかにした. 以上のことから,本研究の目的を十分に達成することができ,本研究補助金により試作・開発したリエントラント型加温装置の臨床応用への可能性が示されてと考えている.
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