研究分担者 |
影山 均 美浜横浜研究室, 研究員
稲田 祐二 桐蔭学園横浜大学, 工学部, 教授 (40016035)
鈴木 茂 桐蔭人間科学工学センター, 研究員 (40187729)
小嶋 聡一 理化学研究所, 安全評価研究室, 研究員 (10202061)
森田 紀代造 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70174422)
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研究概要 |
骨格筋駆動人工心臓の臨床実用化に際しての最も重要な問題である抗血栓性の解決を目的に、ポンプ内面ポリウレタンシートに細胞接着性ポリマーを応用して培養自己内皮細胞を接着し、抗血栓性ハイブリッド型骨格筋駆動補助心臓を試作し,循環補助効果,血栓形成を評価. 1ポリウレタンシートへ細胞接着性ポリマーFC-106,FC-44をコーティングし、イヌ大血管から単離培養した血管内皮細胞のFC-106,FC-44への最適接着条件をin vitroにて検討した.この結果イヌ動脈内皮細胞の細胞接着ポリマーへの接着はFC-44>FC-106>通常のプラスチックの順でFC-44が最良であった.また条件としては1.4X10^5/cm^2/111-300microLと考えられた. 2接着血管内皮細胞の抗血栓性のin vitro評価の結果,イヌ培養内皮細胞は線溶活性を示し,産生するPlasminogen活性化因子はtisuue-type Plasminogen Activator(t-PA)であった. 3骨格筋駆動ポンプの作成:イヌ(BW15-25kg)を対象にin vivo実験を施行した.有茎広背筋を用いてロール型骨格筋ポンプを左胸郭内に作製し,術後三-四ヶ月間にわたり植込み型ペースメーカーを用いて骨格筋ポンプの電気的トレーニングを施行した.この結果 循環補助の必要な十分な容積および収縮能を有し,連続駆動において安定した循環補助効果を有する骨格筋ポンプが作成しえた.さらに人工心肺下に単心室モデルを作成し,作成したポンプを右心循環に接続して駆動実験を行った.この結果25Hz 120msec 10Vlts 60/minの刺激条件での連続駆動により89%の心拍出量がえられ右心循環に十分な補助効果を示した.一方連続駆動1-2時間にてポンプ内面への血栓形成が認められた. 4抗血栓性ハイブリッド骨格筋駆動補助心臓ポンプの補助循環効果,血栓形成:電気的トレーニング施行後の有茎広背筋を用いてロール型骨格筋ポンプを左胸郭内に作製し、in vitroで自己培養内皮細胞を接着被覆したポンプ内面支持物質(ポリウレタン)を骨格筋ポンプ内腔に挿入し,人工心肺下に単心室-右心循環モデルによる急性実験を施行した.この結果十分な右心循環補助効果と共に短時間の駆動中はあきらかなポンプ内面の血栓形成を認めなかった. 現在さらに臨床実用化を目指しハイブリッド骨格筋駆動補助心臓の長期評価を継続中である.
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