研究課題/領域番号 |
08557081
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
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研究分担者 |
高橋 英明 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70236305)
柿沼 健一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (50283015)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 熱感受性リポソーム / アドリアマイシン / 温熱療法 / thermosensitive liposome / blood brain barrier / drug delivery system / ADR |
研究概要 |
これまで我々は、抗癌剤を悪性脳腫瘍のみに集中させ得る熱感受性リポソームを用いた新しい化学温熱療法について、その実験的ラット脳腫瘍における顕著な抗腫瘍効果について発表してきた。 本研究では、現在我々の持つ温熱療法の特性と限界に即して、この熱感受性リポソームに改良を加えることによって、悪性脳腫瘍治療のこれまでの数々の問題点を克服できる可能性があると思われ、検討を行った。 第一点は、これまで温熱療法との相乗効果を狙って42℃以上に設定されていたリポソームの相転位温度を40℃に設定して、加温範囲が充分に得られない現在の温熱療法の欠点を補い抗癌剤の到達範囲を拡大させることを目標とし、第二点は、アドリアマイシンをリポソームに封入する抗癌剤として選択し、強力な抗腫瘍効果がありながら、血液脳関門の問題から使用されなかった薬剤の本法による新たな利用について検討した。 その結果、本法は、1)温熱療法との併用によって、各種抗癌剤を脳腫瘍内に高濃度にtargetできる新しい化学療法であること、2)温熱による直接の殺細胞効果も有しており、42℃以上の領域では化学療法のみならず温熱療法との相乗効果が期待できること、加えて今回の改良によって、3)我々.の温熱療法の欠点を補い、40℃の加温領域にまで抗癌剤をdeliverし、治療範囲の拡大をはかれること、4)強力な抗腫瘍効果がありながら、脳血液関門を通過しないとされ使用されてこなかった抗癌剤も使用できること、5)RFアンテナは脳内のいかなる部位にも定位的に正確に挿入することができるため、脳の深部に存在する腫瘍さえも良い適応となることなど、悪性脳腫瘍に対する優れた温熱化学療法になりうるものと期待できるものと考えられた。
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