配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1996年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
初年度の研究によって,健常者の凍結路面での歩行時には,立脚相では通常路面の歩行よりも膝関節を屈曲し,重心を低く保ちながら歩行していた.一方,大腿義足の凍結路面歩行では,現在市販されている義足膝継手を使用した場合,立脚相では膝継手が完全伸展して,重心位置が高く危険であることが明確になった.従って,凍結路面の大腿義足歩行では,立脚相において膝屈曲を適度に許すことのできる膝継手の開発が必要であった. 二年目の研究では,初年度の研究成果をもとに,大腿切断者が凍結路面を歩行する際に,健常者と同じ膝関節角度をとるために必要な膝継手の機能を明確にした.この情報をもとに一次試作モデルを作製し,大腿義足歩行評価を施行した.通常路面設定では,現在市販の高機能の膝継手と同様の機能を発揮し,凍結路面設定では,従来の膝継手に見られない健常者に類似した歩行パターンと装着者の良好な使用感を得ることができた.しかし,一次試作モデルは通常路面での設定と凍結路面での設定を外部から変更する必要があり,実用化のためには設定が自動的に変更される機能が必要であった. 三年目の研究では,一次試作モデルの問題点である通常路面と凍結路面の設定変更が自動的に行われるようにモデルを改良した.立脚相を油圧シリンダーにて制御し,立脚相を空圧シリンダーのマイクロコンピュータにて制御し,それぞれ独立した制御機構を有する二次試作モデルを作製した.二次試作モデルによる凍結路面の歩行分析および装着者の使用感はともに良好で,凍結路面に適した膝継手を開発することができたと確信する.
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