| 研究概要 |
本研究ではこれまで当教室で研究してきた,CAD-CAMシステムをもとに,これまでの教育現場で教育効果をあげるのが難しかった歯冠形態の学習,及び窩洞形成,支台歯形成のトレーニングにパーソナルコンピュータで操作可能な教育システムの開発を行った.
はじめに,臨床的な歯冠データ,保存修復領域における窩洞形成データ,補綴領域における支台歯形成データを計測するために,試作四眼式PSDセンサを内蔵したレーザー計測装置を用いて三次元形状の測定を行ったところ,窩洞やマージン部分において,十分な精度が選られていないことが分かった.これはPSDセンサが散乱した二次反射光をも捉えてしまったためで,本装置では、同時に二個のPSDセンサが捉えたデータを比較しながら,最適なデータが選られるよう補正を行っているが、各種臨床形態において軸面などの傾斜がきつくなる部位などで計測の誤差が大きくなることから,いずれのPSDセンサにおいても二次反射の影響を補正しきれなくなっていることが分かった.そこで,PSDセンサ自体に二次反射光を抑制する機構を組み込んだレーザー変位計を開発した.これにより,十分満足できる精度で各種データを収集することができた.しかし,実際の臨床的な支台歯の計測データをもとに計測誤差の出現傾向について検討を行ったところ,支台歯の形状によってはまだ十分な精度が得られていない部分がある事が分かった.また,垂直の軸面を計測すると約3度のテ-パ-を持ったものとして計測されてしまった.こうした結果より,われわれが開発したシステムを実際の教育用途として用いる場合,その形成方法においても一定のガイドラインが必要であると考えられた。しかし,こうして得られるデータをもとに、視覚的にわかりやすく画像として表示させ比較評価することで,教育用トレーニングシステムとして非常に学習効果の向上が期待できるものと考えられた.
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