研究課題/領域番号 |
08557144
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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研究分担者 |
西村 有平 三重大学, 医学部, 助手 (30303720)
林 正晃 三重大学, 医学部, 助手 (80291417)
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
伊奈田 宏康 三重大学, 医学部, 助手 (90283522)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1996年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | mRNA differential display / in situ hybridization / 遺伝子治療 / 遺伝子発現 / ヒト疾患病態 / 乳癌 / caltractin / two-hybrid system / 薬物治療学 / 分子薬理学 / 螢光ディファレンシャル・ディスプレイ法 / 病態遺伝子 / 薬物治療遺伝子 / キャピラリー電気泳動 / マルチメディアデータベース |
研究概要 |
薬物治療学は臨床医学の中心的な領域であり、その科学的基礎を確立することが薬理学の大きな役割である。我々は最新の分子生物学的技法をこの研究領域に導入して、現在の臨床薬物治療学の問題点を克服することを試みた。すなわち、本研究の目的は、現在のmRNA differential display法をより微量化、迅速化し、血液細胞、バイオプシー検体への応用を可能にし、臨床薬物治療学の分子的基盤を構築するための技術的基礎を確立し、薬物治療により誘導される遺伝子群(治療遺伝子)を解析する。その結果、薬物治療の分子機構における各治療遺伝子の役割を明らかにする。新規薬物標的分子(治療遺伝子)の探索研究において、最終的にはヒト疾患病態における医学的意義解明が必須となる。そこでより直接的にヒト疾患における情報を新規薬物標的分子の探索研究に生かす方法として、ヒト疾患病態における遺伝子発現プロフィール解析を試みた。ヒト乳癌における遺伝子発現プロフィールをmRNA differential display法により解析した結果、解析総数5837バンドのうち約3%に発現変化を認めた。これらのなかで、我々はカルシウム結合蛋白質であるcaltractinの遺伝子発現が、乳癌において増加していることを見出した。さらに我々はcaltractinの遺伝子発現が乳癌だけでなく、肝細胞癌、胃癌、平滑筋肉腫でも増加していることを明らかにした。我々は癌組織のin situ hybridizationを行い、caltractinの遺伝子発現が増加しているのは、癌細胞ではなく、tumor-infiltrating lymphocyteであることを明らかにした。我々の研究により、caltractin遺伝子とtumor-infiltrating lymphocyteの機能が関連する可能性が示され、caltractinが治療遺伝子になりうることが示唆された。
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