研究概要 |
情報教育の一環として,児童・生徒が情報を収集,加工,判断,伝達する主体的な情報活用の課題場面を教科の中で具体的に展開することが望まれている。次の指導要領では,児童生徒が主体的な課題意識をもって,課題解決学習に取り組む時間がとれるよう検討されている。本研究は,これまで試行してきた遠隔共同学習実験を基に,実践レベルでの問題点を検討し,より実用的な支援システムとカリキュラムの開発整備を図ることを目的としてスタートした。 具体的には (1)「酸性雨の共同観測と,地球環境を考える」をテーマにした,遠隔共同学習カリキュラムを開発し,教材化(テキスト,CD-ROM,Web HomePageなど)する。 (2)必要な支援ツールを統合化し,開発する。 (3)教師用のガイドブックを作成する。 (4)開発されたカリキュラムを,実践校において実施し,実用上の問題点について検討する。 まず,平成8年度には,カリキュラネを学習活動のレベルまで整理し,子ども用テキストの作成,教師用ガイドブックの作成を進めた。また,実践のイメージを教師に伝えるための紹介用CD-ROMを作成した。さらに,子ども用通信ソフト(かわらVAN)の開発,支援データベースシステムの開発も行った。これに平行して,平成8年度は,実践協力校を全国から13校,平成9年度には,全国から25校の参加校を求め,カリキュラムに基づく実践を,約6カ月間進めた。 次に,この実践で交わされたメールの記録などを分析し,共同学習を運用するために,どのような支援システムの機能が必要であるかを明らかにし,システムの改善を図った。 本研究では,開発,実践,評価,改善を2回繰り返し,実用性の高いカリキュラムを具体的に開発しただけでなく,インターネットを教育現場で共同学習に活用するための支援システムの要件や教師の役割などについても,示唆を与えることができた。これらの成果を研究成果報告書(総192頁)にまとめ,報告した。
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