配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1998年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1996年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
本研究では,集積化多波長光コンピューティングシステムを実現する際の鍵になる適応波長セレクタに関する試作を行うとともに,これを用いた種々の専用光コンピューティングシステムの提案と評価を行った. 1. 適応波長セレクタの波長検出部を試作し,その結果に基づいて適応波長セレクタの総合的性能評価を行った.試作した波長検出部は,(1)波長635nm,690nm,750nm,830nmの光を分離するための4つの誘電体多層膜フィルタをフォトダイオード上に集積化した構造,および(2)630nm〜850nmの波長域の複数の光を分離するための傾斜堆積型誘電体多層膜フィルタをフォトダイオードアレイ上に堆積した構造の2種類である.評価の結果,タイプ(1)のような個別のフィルタを用いた適応波長セレクタは,現実的には波長分解能が8波長以下であるのに対し,タイプ(2)の場合は,フィルタの逆特性演算により,8〜16波長程度を同時検出可能であることが判明した.これにより.波長変動にロパストな適応波長セレクタが実現可能であることを初めて明らかにした. 2. 適応波長セレクタのチップ間光インタコネクションへの応用として,多波長光ハイパーキューブネットワークを提案し,8〜16波長の使用により,配線の面積的複雑さを1/64〜1/256に減少できることを示した.また,自由空間多波長光インタコネクション,光ウェーブキャスティングなどの新たな光通信方式を提案するとともに,光集合論理演算システムおよび光ニューラルネットワークなどのモデル実験を行い.その原理を確認した.この過程を通して,本研究で提案してきた信号の多重化による新しいコンピューティングの原理自体は,電気信号の変調・多重化技術を用いることにより,現行のVLSIアーキテクチャへ応用可能であることが判明し,基礎的検討を行うとともに.研究課題を明らかにした.
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