研究分担者 |
宮野 英次 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (10284548)
荻野 博幸 京都大学, 工学研究科, 助手 (40144323)
安岡 孝一 京都大学, 大型計算機センター, 助教授 (20230211)
岡部 寿男 京都大学, 大型計算機センター, 助教授 (20204018)
岩本 宙造 九州芸術工科大学, 講師 (60274495)
澤田 直 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (70235464)
櫻井 幸一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (60264066)
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研究概要 |
SISなどの論理最適化システムの性能をランダム例題を入力として評価する際,「ランダム例題は人工的過ぎて現実の世界を反映していない」との批判が多い.本研究では,完全ランダム生成ではなく,論理回路の各種属性を制御できるランダム例題生成系の開発を目的として研究を行なった. 平成8年度は,簡単な初期回路から回路の等価性を保存する基本変換をランダムに繰り返し適用することにより,回路を複雑化していくという手法を用いた例題集合生成システムの第1版を開発した. 平成9年度は,前記のシステムに対して様々な改良を行なった.まず,第1版のシステムでは制御できなかった,回路素子のファンイン数を制限できるようにした.従って,以前は非常に大きな入力数の素子を有する回路の生成を阻止できなかったが,新しいシステムでは現実的な値,例えば4に制限して生成することができる. さらに,新しい生成システムでは以前のシステムでは不可能であった初期回路も自動生成する.以前は初期回路として,適当なベンチマーク回路等を選択してそれを入力する必要があった.しかし,新しいシステムではその必要がなくなり使い勝手が大幅に上昇した.また,その初期回路のパラメータ値を制御できるようにした.それは,オンセットの大きさや関数の「複雑さ」である.初期回路生成はCNF式の形で行なう.前者の制御はその充足割当の個数を数える必要があり,一般には膨大な時間を要する.ここでは,以前に我々が独自に開発した方包除原理を利用した手法を利用して高速化を図った.また,複雑さの制御ではリテラル数の多い節をどの程度加えるかによって行なった. 有名なSISやトランスダクション法の評価を行ない,両者の性質の違いをある程度際だたせることに成功した.
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