研究課題/領域番号 |
08559015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
田代 英夫 理化学研究所, 工学基盤研究部, 基盤研究部長 (90124370)
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研究分担者 |
矢内 勝 東北大学, 医学部, 講師 (00210287)
倉知 正 群馬大学, 医学部, 助手 (20271546)
和田 智之 理化学研究所, 工学基盤研究部, 研究員 (90261164)
和田 正三 東京都立大学, 理学部, 教授 (60011681)
牧尾 諭 日立金属株式会社, 磁性材料研究所, 部長
陸川 克二 ニコン(株), 顕微鏡開発部, 部長(研究職)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
1998年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1997年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1996年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | 光ピンセット / 細胞内構造力学 / 好中球 / 細胞運動 / 波長可変レーザー / ホメオスタシス |
研究概要 |
光ピンセット顕微鏡を開発し、その応用とし以下の成果を得た。 シダ原始体を遠心処理し、核外に飛び出した核小体の修復機構を光ピンセット操作を使って調べた。10ピコニュートン以上の力で核小体を補足している間の核小体とそれを包む核膜の動きを観察したところ、核小体の修復に関して核小体につながる染色糸の張力と核膜の張力が各々独立に関与していることを明らかにすることができた。シダ原始体内の核小体を捕捉操作する研究では、光ピンセットによって加えた変位から、染色糸及び核膜の力学的性質を調べることができた。 光ピンセット操作をよりダイナミックな細胞運動に適用する対象として正常ヒト好中球を選び、その遊走メカニズムを探る研究を行った。細胞内小器官を光トラップし、一定方向に周期的変位すなわち接動を与えた時のその追随のふるまいの振幅と位相遅れから細胞質の粘性及び弾性を定量することに成功した。細胞内の部位による差異の有無を調べたところ、仮足進展部では体部、尾部に比べて粘性は1/6、弾性は1/20という結果を得た。これは仮足進展部の細胞質はより液体に近いこと、細胞内圧により細胞質が押し出されて仮足が形成されることを示唆する。 レーザーピンセット法の発展として、可視レーザー光、同時に顕微鏡に導入し光切断に用いた。培養後根神経節の培養細胞を顕微鏡で脱膜して微小管を取り出し、その状態で光切断すると脱重合反応が起こることを確かめた。この脱重合の速度から微小管には3種の安定化パターンがあること、その安定化状態が局所的に変化していることを見い出した。 細胞内構造の力学的性質の計測、特にダイナミックに動く細胞の運動の解析に光ピンセットが極めて有効なことを示すことができた。
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