研究課題/領域番号 |
08610006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 技術 / 現象学 / 技術哲学 / 認知科学 / 科学哲学 / 技術決定論 / 社会構成主義 / 技術の解釈学 / 科学 / 人工物 / 認知 / 解釈学 / 技術の政治学 |
研究概要 |
本研究の目的は、これまでの技術哲学の歴史をサ-ヴェイしたうえで、第一に、形而上学的前提やイデオロギー的前提を排除した「現象学的」観点を取ることの意義を明らかにすること、そしてそのようにして得られた見地に基づいて、具体的に現象学的観点からの「技術哲学」を展開するための手掛かりを獲得することにある。 本研究では、技術哲学の主題として主に「技術と知識」「科学と技術」「技術と社会」という三つの問題領域を取り上げた。通常の場合、技術とは一定の(法則や規則に関する)知識の応用ないし適用と見なされることが多い。しかしカントの構想力/判断力に関する見方によると、むしろ、知識一般の方が概念の適用として成立し、その適用には規則の知識には還元できない「技術」が基礎にあると考えられる。この点に基づき、知識を成立される基礎としての「技術」という観点を取り出した。そして、この観点を最近の認知理論の議論に関する批判的検討を通して、「生態学的現象学」の視点へと展開し、第一に、「技術は知識の環境である」というテ-ゼを導いた。そして第二に、このテ-ゼを近代科学の成立過程の解明によって具体化し、「技術とは科学の環境である」というテ-ゼを導いた。さらに第三に、一般に技術と言われているものが実は技術的要因と社会的要因との結合体であることを示し、そこから、技術決定論と社会構成主義の対立を見直して、技術と社会の「二重側面説」という見方を提出した。そしてこの見方に基づいて、そのつど成立している技術的製品に沈殿している意味を暴露する「技術の解釈学」の必要性を示した。
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