研究課題/領域番号 |
08610031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
池上 良正 筑波大学, 哲学・思想学系, 助教授 (60122925)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | キリスト教 / 聖霊運動 / 民族・民衆宗教 / ペンテコスデ運動 / カリスマ運動 / 救済 / 癒し / 沖縄 / 民俗・民衆宗教 / ペンテコステ運動 |
研究概要 |
本研究は、近年世界的な成長が注目されているキリスト教の聖霊運動を対象に、これを「民族・民衆宗教」の研究視角に位置づけることによって、その世界観・救済観の特徴、日本宗教風土における受容基盤などを、具体的事例に即して考察することを課題とした。 具体的には、この運動が特に活発に展開されている沖縄地方を主たるフィールドとして、牧師や信徒による聖霊や悪霊の体験談、土地や屋敷の聖別祈祷、悪霊の追い出しのミニストリー、病人の癒し、インナーヒーリング、等の観念や実践に関する多くの具体的事例を収集し、これを在来の宗教文化との葛藤・融合の視点から、分類整理した。結論としては、沖縄県において聖霊運動が受容されやすい背景として、大きく社会的要因と文化的要因の二つを挙げることができる。 社会的要因としては、牧師や信徒の間に地縁主体の超教派的ネットワークが発達しているという組織面の特徴である。ここには、「状況吸収型」とされる沖縄社会の歴史的特性とともに、差別・戦争体験などをバネとした「沖縄人アイデンティティ」への自覚などが、密接に関わっている。 文化的要因としては、女性神職を中心とする祭祀制度、檀家精度の未定着、シャーマニズム的と総称される宗教文化の根強さ、などを挙げることができるが、本研究では特に、インテンシブな聴取調査によって収集した資料から、ユタ・ムヌシリなどとよばれている在来の民間宗教者によって担われてきた観念や実践との連続面と断絶面を、明らかにすることができた。
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