研究課題/領域番号 |
08610032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 廣治郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40012984)
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研究分担者 |
内藤 陽介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (90262055)
鎌田 繁 東洋文化研究所, 教授 (70152840)
竹下 政孝 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30163398)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | イスラム / 女性 / イスラム法 / 民主化 |
研究概要 |
1 補助金交付内定の通知を受け、6月22日に研究方針を話し合う第1回会合が開かれた。最初に中村がイスラム法に規定された女性の権利ならびに法的地位について概観する基調報告を行い、現代イスラム世界の女性についての分析が、イスラムに対して批判的な西側社会のフェミニストのものであれ、イスラム世界の原理主義者のものであれ、きわめて一面的で正確さを欠いたものであることを指摘した。その後の共同討議では、この問題提起を受けて共通の関心を培うとともに、秋までに各自が個別研究を行い、9月以降、報告と共同討議を行う方針を確認した。 2 9月からは以下のような研究発表が順次行われた。まず、内藤がアラブ・イスラム世界における女性の国会議員・閣僚の経歴や活動について報告し、イスラム世界においては、社会全体の民主化よりも女性の社会進出のほうが先行する場合もあることを指摘し、西欧の理解による民主化モデルに対して疑問を呈した。ついで、鎌田がイラスム革命以降のイランにおける女性の社会的役割について報告。竹下が大衆動員組織としてのス-フィー教団における女性の役割について報告し、文献だけでは得られないイスラムの多様な側面を明らかにした。最後に中村がエジプト法曹界の大御所、アシュマ-ウィーによる法学的立場からの女性論について報告し、個別研究を終えた。 3 以上の個別研究の結果、当面の共同研究のテーマとして、現代イスラム世界における女性の役割についてより多面的に考察することとし、一月以降も討議を続けている。討議の中では、小説家や音楽家など、女性文化人の活動がイスラム世界においてどのように受け入れられているか(あるいはいないか)といった点にも目を配るべきだとの指摘もなされているが、このテーマは巨大なものであり、今後も私的研究会による研究を継続したい。なお、成果は二〜三年後をめどに公表する予定である。
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