研究課題/領域番号 |
08610036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 宮崎公立大学 |
研究代表者 |
中別府 温和 宮崎公立大学, 人文学部, 助教授 (00155805)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ゾロアスター教 / パーシー / 聖なる火 / 時間感覚 / 季節祭 / 新年 / 祖霊 / 空間感覚 / パ-シ- / 集団構造 / 系譜 / 出自集団 / シンボル / 社会構造 / ゾロアスター教徒 / マ-チ / 姓 / 始祖 |
研究概要 |
本研究の目的は、ゾロアスター教文化の時間感覚、空間感覚、および社会構造をコンピュータを使用して分析することであった。初年度と次年度には、ゾロアスター教徒パーシーの系譜資料に関する3,000項目にわたる資料をコンピュータによって分析した。最終年度には、時間感覚と空間感覚に関して収集した300の作文資料とフィールドワークによるデータをコンピュータによって分析した。その結果の概要は下記のとおりである。 1825のマーチ(聖なる火に香木を捧げる行為)の具体的事例を分析することによって、また、マーチを行っているパーシーをグジャラーティ系譜史料で追跡することによって、ナウサリで最も等級の高い聖なる火アータシュ・ベーラーム(Atas Bahram)のマーチは、祭司系譜を出自とするパーシーが中心となって行われてきている事実を取り出した。また、祭司系譜の中でもバガリアー(Bhagaria)と呼ばれる特定の系譜に属する集団が香木を捧げることによって、聖なる火は永続的に燃えつづけてきていることも取り出した。 パーシーの現実の生活場面における時間感覚については、ガーハンバール(gahambar)が最も重要な意味を持っている。ガーハンバールは本来は年6度の季節祭の機能が強かったのであるが、パーシーがインドへの移住にともなって、生業形態を農業から商業へと移行させたために、その本来の意味と機能に変化が生じてきている。 調査地ナウサリのパーシーは現在新年を8月に祝うが、この新年はガーハンバールの一つと重なっている。新年は祖霊(fravasi)が帰還する時期と考えられているために、各家で祖霊を迎え、もてなし、送り出す儀礼が行われる。また、ガーハンバールは善行を行う機会であり、その運用が信託(trust)でなされる事例が多い。特に、信託の形で行われる善行が、故人や生者の霊魂の救済を目的としていることに注目すべきである。
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