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1920年代ドイツおよびイタリアにおける知識社会の構図と自由主義者の精神構造

研究課題

研究課題/領域番号 08610042
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 倫理学
研究機関東北大学

研究代表者

清水 禎文  東北大学, 教育学部, 助手 (20235675)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード1920年代 / エルンスト・クリーク / ジョヴァンニ・ジェンティーレ / 自由主義 / ヘーゲル / 弁証法 / 国家理性
研究概要

1900年代初頭のドイツおよびイタリアの思想状況は、(1)西欧諸国に対抗し、独自の国民国家を形成するための国家主義、(2)西欧型個人主義、民主主義思想、(3)第一次ロシア革命の影響による社会主義思想が入り込む。これらの思想に対して、いわゆる《自由主義者》は、一定の距離を保ちながら、リベラルな思想を展開することがでた。しかし、1920年代に入ると、《自由主義者》は復古的な思想にとらわれてゆく。
今年度の研究においては、ドイツの教育学者エルンスト・クリーク(1882-1947)、イタリアの思想家ジョヴァンニ・ジェンティーレ(1875-1944)を取り上げて分析をした。彼らは、いずれもカント哲学の影響力が退潮して行く時代の中で育ち、ヘーゲル哲学に依拠する《自由主義者》であった。彼らの根本的思惟構造は弁証法であり、理念的なものを現実的なものととらえる。そのコロラリーとして、共同体(Gemeinschaft, comunota)としての国家が理念的なものとなり、また現実的なものとなる。そして、最後にはプラトン以来の伝統である「国家が個人に優先する」という国家哲学を、政治的スローガンとして掲げるようになった。
このように彼らの立場が、思弁的な自由主義から、行動的なショーヴィニズムに転じて行く要因として、1920年代の政治的・社会的状況を見逃すことのできない。しかし、彼らの思想構造それ自体の中に、所与の現実を安易に肯定するロジックが、最初から組み込まれていたと考えるべきである。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 清水禎文: "エルンスト・クリークの初期思想形成-『人格性と文化』の分析-" 東北大学教育学部研究年報. 45. 50-67 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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