研究課題/領域番号 |
08610079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 澄 名古屋大学, 文学部, 教授 (70092989)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 馴化 / 潜在制止 / 条件性抑制 / 条件性味覚嫌悪 / ラット / 消去 / 記憶検索 / バブロク型条件づけ |
研究概要 |
ラットを用いて、刺激の反復呈示に伴う馴化と潜在制止の2つの現象の相互作用のあり方について3つの課題を遂行した。課題1では純音と光を条件刺激とした条件性抑制の事態を用いて、ターゲット刺激の前呈示あるいは条件づけ期における妨害刺激の付加の影響を検討した。3つの実験の結果、条件づけ期の付加によって潜在制止は減弱するが、前呈示期の付加によっては減弱しないことが確認された。これらの事実は、前呈示によるターゲットに対する馴化の進行(注意の低下)が妨害刺激の呈示によって崩壊(脱馴化)し、その後の条件づけの効果を促進したと説明できる。 しかし、味覚嫌悪条件づけの事態において課題1と同様の検討を行なった課題2では、逆に前呈示期の妨害刺激の付加のみが、ターゲットに対する潜在制止を減弱させた。データの詳細な分析の結果、課題2においても妨害刺激の付加による脱馴化は生じたが、それは潜在制止の減弱の原因ではないことが示唆された。むしろ、2つの味覚という同じモダリティからの刺激の場合には、むしろターゲットの知覚特性が妨害刺激によって変化し、般化減少が生じたことが減弱の原因だと推測された。 課題3では、味覚刺激を用いた潜在制止の実験において、条件づけ期の条件刺激の呈示量と呈示時間のいずれが潜在制止の強度とそれへの馴化に影響するかを検討した。条件刺激の呈示の前に前呈示を受けているかにかかわらず、馴化の程度は条件刺激の呈示時間にも呈示量にも影響されなかったが、潜在制止では条件刺激の呈示量はその強度に影響しないが、呈示時間はそれが長いほど明確な潜在制止が認められた。また、後者の影響は無条件刺激の呈示までの間隔の増大や、前呈示の刺激の呈示量の違いには還元されないことも確認された。
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