研究課題/領域番号 |
08610086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
多屋 頼典 岡山大学, 文学部, 教授 (80033356)
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研究分担者 |
平松 芳樹 中国短期大学, 幼児教育科, 教授 (60199099)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 乳児 / キック / サッキング / 第2次循環反応 / 目標的行動 / 因果性 / オペラント条件づけ / 感覚運動的知能 / キック反応 / サッキング反応 / 意図的行動 / 因果性の理解 / 脚けり / 注視 / 随伴性強化 |
研究概要 |
Piaget(1948)は最初の意図的行動として感覚運動的知能の発達の第3段階で出現する第2次循環反応(自分の行動が外界にもたらした興味ある結果を再現させようとする反応)をあげ、およそ4カ月半から始まるとした。本研究はRovee-Collier(1979など)たちの方法を参考にして、乳児の脚でのキック行動とサッキング反応を定量的に測定し、第2次循環反応の特性を検討した. キック反応 生後3ヶ月の乳児が強化期に左脚を動かすと、左脚の足首に紐が結わえられており、乳児のキックが直接に頭上のガラガラを揺らすことになった(連動強化条件)。しかし非強化期には紐が足首から解かれているので、キックしても何の効果もない。乳児はすぐに左脚でキックすることを覚えたが、彼の因果概念は通常の成人のものとは随分異なるようであった。乳児は自分の活動に近接してガラガラが音を立てることはよく理解していたが、強化期と非強化期を区別することは難しいようで、紐が足首に結んでなくても頻繁にキックしていた。 サッキング反応 生後6週の乳児が人工のゴム製乳首をサックすると、強化期にはブザー音がなり、非強化期には音がしなかった。乳児はブザー音を聞くために乳首をサックすることはすぐに覚えたが、非強化期にも頻繁にサックした。乳児期強化期と非強化期を十分に区別できなかった。 結論 生後3ヶ月ころまでの乳児は強化期での自分の活動と外界の変化との間の因果関係は理解できているようだし、もっとよい結果を求めて自分の活動を修正することもできる。これらの活動はピアジェの定義する第2次循環反応である。しかしながら乳児は非強化期になっても活動を中止することが難しい。乳児は一度なにかやって良い結果が得られたなら、それ以上強化を与えなくてもかなり長い間同じよい結果を期待し続けることができる。これがごく幼い時期の乳児の因果概念の特徴の1つであろう。
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