研究課題/領域番号 |
08610099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
三浦 佳世 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60239176)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 絵画・写真 / 時間印象 / 時間表現 / 速度感 / 過去・現在・未来 / 空間周波数 / 色彩 / 方向性(構図) / 絵画 / 構図 / 感性コミュニケーション / 時間印象(速度感) / 時間印象(過去・現在・未来) / 空間周波数(ぶれ、ぼけ、モザイク) / 時間表現(過去・現在・未来) / サークルテスト / 構図(方向性) |
研究概要 |
静止した1枚の空間表現、例えば絵画の中に時間の印象を感じることがある。それでは一体、1.画面にはどのような時間が感じられるのか、2.それはどのような視覚要因によって喚起されるのか、3.意図的表現でも同じ視覚要因が用いられるのか、4.視覚要因の選択は表現の自由度によって変化するのか、5.意図的表現を課す場合、課題提示における言語表現の影響はあるのか、6.表現された作品の意図は鑑賞者にどの程度伝わるのか、7.どの視覚要因を用いた時に伝達度は高まるのか、を検討するとともに、8.現代芸術を時間表現の観点から分類し、また、特徴的な作品を通して現代における時間のあり方を考えることを目的とした。 その結果、1では「動き・変化・速度」「持続する時間」「停止した時間」ならびに「過去・現在・未来」も分離可能なこと、2では体系的な実験結果から、速度印象と空間周波数成分、時制と色相の対応関係が指摘できること、3では表現時にも類似した空間要因が用いられるが、より伝達度の高い要因や文化的要因の関与も見られること、4では円で「過去・現在・未来」を表現させる試み(サークルテスト)を用いると、「自己」についての過去・現在・未来を示す投影法になってしまうこと、5では「過去・現在・未来」と「昔の・今の・これからを比較すると、課題提示の際の言語表現によって変化を受ける視覚表現(具象)と受けない表現(抽象)のあること、等を示した。また、6において、意図が正確に伝わる作品(構図による速度印象の表現)や誤解されやすい作品(方向性を用いた過去・現在・未来の表現)を伝達率によって示し、7に対する回答を得た。8では実験に刺激として用いた作品のうち、「ゆっくり」した時間印象を与える作品が好まれたのと呼応して、現代芸術の中に「遅速表現」が見られることに注目し、高速化社会における人間にとっての「適正速度」について考察した。
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