研究課題/領域番号 |
08610112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
相川 充 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10159254)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 孤独感 / 社会的スキル訓練 / 非言語的コミュニケーション / ロールプレイ / UCLA孤独感尺度 / レンズモデル / UDLA孤独感尺度 / 会話維持スキル / 自尊心尺度 / セルフ・エフィカシ-尺度 |
研究概要 |
本研究の目的は、孤独感の高い人達に社会的スキルを獲得させる訓練を行い、この訓練が孤独感の低減に効果を持つかどうかを実験社会心理学の観点から検討することであった。この目的のために、第1研究では、女子大生480人にUCLA孤独感尺度を実施し、高得点者18名を被験者とした。被験者は、「自己表現」や「会話維持」などの社会的スキル訓練を受ける実験群と、訓練を受けない統制群に振り分けられた。その結果、実験群は統制群に比べて社会的スキルの行動レベル(特に「自分の立場の守り方」)でも、社会的スキルについての自己評定でも有意に向上し、孤独感が有意に低減していた。 第2研究として、訓練効果の持続性を確かめるために、6ヶ月後のフォローアップ・データを取った。その結果、孤独感に対する訓練効果は持続していたが、統制群の孤独感にも自然減少が認められ、実験群と統制群の間に有意差は認められなかった。孤独感に付随すると思われる認知測度として、対人不安、自尊心、セルフ・エフィカシ-の程度を測定したが、これらの測度は、訓練前、後、フォローアップ時と、ほとんど変化を示さなかった。 このような結果から、孤独感の低減をめざした社会的スキル訓練を行うには、どのような行動を訓練対象とすべきなのかについて、基礎的、実証的データを得る必要性を痛感した。そこで第3研究として、改訂版レンズモデルの枠組みを用いて、孤独感の高い人の対人場面での言語的・非言語的行動をビデオにとって分析した。その結果、孤独感の高い人が示す「相手に対する質問の少なさ」と「不機嫌な表情」が、孤独感の記号化と解読に特に寄与していたことが判明した。社会的スキル訓練を実施する際には、これらの行動を訓練対象とすべきことが示唆された。
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