研究課題/領域番号 |
08610138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
斉藤 こずえ 國學院大學, 文学部, 教授 (70146736)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 国際化 / 日本語学習 / 社会文化的認識 / 多文化化 / 社会的認識発達 / Hybridity / 社会的ネットワーク / 文化的多元主義 |
研究概要 |
本研究は、今日の日本の国際化、多文化化状況の中での異文化児を巡る社会文化的認識の変化と、その中での異文化及び日本の子どもの社会的認識発達を明らかにすることを目的にしている。先行研究の発展として、小学校の日本語教室を巡る社会的ネットワークの中で、教師、在日異文化児、日本児、保護者、さらに帰国異文化児とその両親、及び、日本の地域の日本語ボランティア教師とその外国籍成人日本語学習者を対象とする観察、質問紙調査を行い、社会文化的認識の変容の方向性と、相互交渉行為の上での作用の方向性の関わりを検討した。研究方法は社会的関係分析法と認知過程分析法を併用した。1、定期行動観察結果:毎月1回の1公立小学校の日本語教室および、日本語教師宅での少人数の日本語指導のビデオ観察データは、日本語教師と異文化児の関係のみならず、異文化児と保護者(主に母親)、異文化児同士、異文化児と日本児の関係を、言語及び非言語的働きかけの方向性と頻度、内容の観点から分析し数量化を行っている。2、インタビュー結果:異文化児とその両親、日本児、教師、成人日本語学習者などへの2回の質問紙調査結果は集計し、数量化および内容分析を行っている。3、1、2のデータを突き合わせることによって、社会文化的認識変容と相互交渉行為の方向性の関わりを分析している。結果から一例をあげれば、日本語学習過程で見られる相互交渉行為の方向性は、日本語教師が一方向的に能動的な役割を果たす傾向から、異文化児者が母語を教示するなどの双方向的交渉へと早い時期に変容し、それには、日本語学習以外(食事、バースデ-の祝いなど)の多様な場面での相互交渉が寄与している。この行為の双方向性は、個別社会文化の認識上の双方向性、相互性の認識と切り放し難く、ハイブリッドな社会文化的認識を促進する。
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