研究課題/領域番号 |
08610157
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
|
研究機関 | 国学院短期大学 |
研究代表者 |
金谷 有子 國學院短期大学, 幼児教育科, 教授 (00177502)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 家族のコミュニケーション / 感情のぶつかり合い / 親和関係 / 共感性 / 情動調律 / 家庭の情緒的雰囲気 / 心の理解 / 情緒的コミュニケーション / 情緒的体験 / 自己形成 / 他者理解 / 対人関係における情動調節 / ぶつかりあいと思いやり / ノンバーバルコミュニケーション / 家族の親しい関係の成立 / 自我意識の発達 |
研究概要 |
15組の家庭を対象に3年間の縦断研究を行って来た。対象児が1歳半、2歳半、3歳半の時点でそれぞれの家庭での情緒的コミュニケーションをビデオ記録して来た。日常の家庭生活でのやりとりに焦点を当てたのはそこに家族一人一人の欲求、願望、意図、情動が複雑に絡み合って表現されていること、そして子どもはそのような家族とのやりとりを体験するなかで多様な心的世界を発見していくと考えられるからである。ビデオ記録された自然のやりとりの中から母子、父子、きょうだい、そしてともだちとのふざっけっこやからかいの場面や言い争いやぶつかり合いの場面を抽出し、そこに展開したエピソードを記述した。エピソードにはさまざまな感情の伝え合いや読み取りの過程がさまざまなストーリーとして展開されている。そのような心の交流の流れから、お互いの気持ちや意図の行き違いとその修正の方法、感情のぶつかり合いとその調節の仕方、楽しさの共有と親和の表出といった側面を分析した。その結果、家族やともだちとの感情のぶつかり合いやからかいのやりとりが情動調律と他者の心の理解へのきっかけになっていることがわかった。子どもは調和のある楽しい交流のみならず感情のぶつかり合いやいざこざとその調節を経験することによって自他の心の理解を発達させていくと考えられる。楽しさの共有体験やぶつかり合いの情動調律の体験には家庭による違いが多く見いだされた。各家庭において家族の成員による相互作用のあり方の違いが各家庭に特徴的な情動調律関係を形作り、それが各家庭の情緒的雰囲気の違いを特徴づけている。この違いが子どもの心の理解の違いに影響してくると推測される。
|